創作09

 ジン(公式)
 ジン誕生日記念SSです。フリー配布なので、ご自由にどうぞ(^^)
 実を言うと、タイトルを変更しました(笑)。あははっはは…。



 バナー(ラグナ) ジン(バナー)
 ノエル(バナー)
 『万年筆』
 ××統制機構支部が壊滅。ラグナ・ザ・ブラッドエッジ1人による破壊活動…。そういう報道が流れて来る事が多くなり、統制機構の方も「SS級」「かけた額が史上最高額」と言った言葉や会話も飛び交うようになった。しかし、ジンは統制機構の人間の話を聞くだけ聞いて特に感慨を示さず(ラグナの動向は気に掛けているが)、ただ仕事を進めていった。
 2199年2月14日…。幾度目かの自分の誕生日。そして、街はヴァレンタイン関係で賑わっていた。統制機構内も例外ではない。あちこち贈り物で溢れている。だが…
 「これは僕の誕生日の祝いなのか?それとも…」
 誕生日ならともかく、余りの量なのでヴァレンタインの為なのかは分からない。既に山積みのプレゼント…これほど貰われても、食べきれる筈でも把握できる筈でもない。とにかく、誰かに分ける事にした。ちょうど良いタイミングで、(いけ好かない人物だが)ノエルが「渡す資料があります」と言いながらノックしてきて、入室した。
 「少佐…これ、本部からの御達しです」
 「そうか…少尉。頼みがある」
 珍しく自分に頼み事をするジンに驚くノエル。すると…、
 「悪いが、これらのプレゼントを職員に分けて欲しい。僕ではとても処分出来ないからね。少尉の部屋に幾分か転送する」
 「は…はぁ、分かりました」
 少し頭を下げて、ノエルは退室した。そして、
 「転送するか…」
 今日は誕生日と言う事もあってなのか、統合本部の御達しと言うのは、今日~明後日は休暇をとれと言う命令とラグナ対策について、幾つか書いてあった。やるべき仕事を終え、ジンは私服姿で街を出た。
 しん…しん…雪が降ってきた。
 まだまだ寒い時期である。街が少し白く色づき、一種の風情が生まれた。特に目的はないが、誕生日と言うことである。たまには悪くないと思いつつ、少し洒落た店で夜を過ごすことにした。
 「この店にするか…」
 自分の嗜好上、肉関係の料理が嫌いなので、それを避けつつすごす店を選んだ。その物色している最中、
 「に…兄さん!?」
 見覚えのあるシルエットが路地裏にあったが、すぐ居なくなった。気のせい…いな、あの気配は兄である事に間違い無かった。しかし、消えてしまった。
 「兄さんのはずなのに…何故…ん?」
 足元には小箱があった。そこには、ぶっきらぼうな字で“Happy Birthday Jin R”と書いてあるカードが挟んであった。
 「…有難う、兄さん」
 追跡は諦め、ジンはレストランを探す事にした。
 一方、ラグナは…、
 「どんなに殺意あっても肉親となると、情が沸くものかねぇ…俺も甘いな」
 ジンとの決着はいずれつける。だが、今日はそのジンの誕生日でもある。ラグナは一時休戦の意志を、あの箱に詰めたのであった。
 変わってジン。自分に合うレストランを見つけ、注文を終えてから箱を開けてみた。そこには…
 「何これ?…高級レストランの豪華サーロインステーキ食べ放題…」
 自分の肉嫌いを知らないはずが無い。そう思うと、兄に殺意が芽生えたが…他にもあった。自分の手に馴染みそうな紺のシンプルな万年筆である。握って名前を書いてみた。自分の手に合っている。あの兄がこう言うものを…と思うと、なんだか意外だがくすぐったい気持ちでもある。
 「この食べ放題の券さえなければ、良かったけどね…」
 ちょうど良いタイミングで注文した料理がきた。気を取り直して、ジンは食事の時間にした。てんやわんやと言うか、賑やかな日も悪くない。なんとなく、そう思えてきたのである。


 ジン誕生日記念のSSです。色々とありえませんけどね…本当に。私が書くとラグナとジンが仲良し兄弟過ぎて仕方がない。文章を書くのって難しいです。
 おまけ
 ノエル「皆さん、少佐からのお裾分けです」
 職員A「おっしゃあ、ありがとう!ノエルちゃん!!」
 職員B「今日は少佐も居ないし、飲み会に行くか」
 職員全員「賛成」
 職員C「この時期、もらい物があるのって嬉しいな」
 ノエル「…(少佐のおこぼれなのに?)」

コメント

タイトルとURLをコピーしました