ツイッタでやらかした子供化ネタ。全員生存のifとか無理ある設定です。ご了承ください…では。
◇第1章「距離」 第1部
―第1日目
スタースクリームの通信を受け取り、信じられないと思いながらもジェットファイヤーとホットロッドはラチェット達に会話の内容をかいつまんで説明してからデストロン基地へ向かった。
「副司令…司令官大丈夫ですよね?急に子供になったって…」
「俺だって驚いている!でもここで落ち着かないと」
メガトロンの事と思うと不安なのは確かだし、今のコンボイは子供になったということだけでも大いに不安である。幸いスタースクリームはホットロッドが言うには「信頼できる」と豪語した位だから、まぁ奴は良いだろう。と自分に言い聞かせながら、ジェットファイヤーはこれからの難題をどう解決していくか模索していた。
ところ変わってデストロン基地。ジェットファイヤー達がデストロン基地へ向かっている頃…、メガトロンはコンボイを掴んでバタバタ暴れる彼のリアクションを楽しんでいた。
「成功したな、良し」
「じゃない!戻して!」
人間であるなら間違いなく目に涙ためながら訴えている所である。コンボイは正にそんな感じである。既に声は震えている。
「時間経過すれば戻るから問題なかろう」
「その分、いろいろ滞るから問題ある」
小さくなっても、この辺は変わっていないかった模様。もっと甘えると思ったのに。ダブルフェイスに戦い好きだと指摘された時までの自制心は恐ろしく強かったが、それは変わっていない。しかし今は子供。子供としてはいささか可愛げがないものだ。
「司令官…本当に…」
「あー本当に小さくなったのだな」
「メガトロン様の愛玩動物状態なのは笑えるぜ…」
全然笑えないだろ!とスタースクリームは容赦なくサンドストームの頭を殴り飛ばして撃沈させた。そのサンドストームは現状では邪魔以外の何ものでもないから、スタースクリームとアイアンハイドの二人でいつもの寝どこまで運んだ。すると、スラスト。
「メガトロン様、ジェットファイヤー達が到着したようです」
「なぬ!?まぁ良い。通してやれ」
「司令官!ご無事ですか」
「ジェットファイヤー、ホットロッド…」
仲間が来たのと同時にコンボイはメガトロンを押しのけて、ジェットファイヤーにしがみついた。あまりの突進力によろけそうになったが、ホットロッドがうまいこと支えてくれたので、倒れずに済んだ。スタースクリームも二人に対して軽く挨拶した。でも取りあえず、これは言おうと思う。
「メガトロン!ふざけるな!!司令官をさっさと戻しやがれ!」
「時間がたてば戻るわ。騒がしいのぉ」
「誰の所為だよ!?」
全く反省しないメガトロン。議論は平行線状態になっているさなか、コンボイはその空気がだんだん怖くなり、スタースクリームの所に来てしまった。彼は未だに震えるコンボイを落ち着かせることを第一とした。
「心配するな、お前の所為じゃない。ほら」
「う、うん。有難う…」
アレクサが言うには子供を落ち着かせるには抱っこは効果的みたいなことを聞いたことがある。なので、それを試してみた。まだ表情は暗いが震えは収まったみたいだ。と同時にコンボイはスタースクリームにしがみついて離れようとしなくなった。いわゆる、懐かれたという状態である。ひとまず目の前の議論をぶった切るべく、現状を伝えた。
「メガトロン様」
「何だ?」
「スタースクリーム~、まだ抱っこしてほしい…」
「コンボイは私に懐いています…」
「なぬ!?」
「あ、本当だ…」
抱っこが嬉しかったのか、心を許している模様。これにはジェットファイヤーもホットロッドも驚くしかなかった。一瞬でコンボイを落ち着かせてしまった彼の手腕に驚くほかない。そのうえ、コンボイもスタースクリームから離れる気はない。マイクロンと子供達には好かれていたのだが、どうやら彼には子供に好かれる何かがあるようだ。それを思ってかホットロッドは思い切ってこう提案した。
「スタースクリーム!頼む!!しばらくサイバトロン基地にいてほしい!」
「え?」
ジェットファイヤーもこれには驚いたが、これほど懐いている様子を見ては、他にもないだろうと思い、ジェットファイヤーも一緒に頼んだのだった。まぁコンボイは信頼できるし、ホットロッドも自分を信じていたし、自分を受け入れようとしてくれたことを思うと無碍に出来ない。メガトロンに許可を得ようと尋ねたが、メガトロンは好きにするがいい、と一言だけ。デストロンの面子はスタースクリームが暫くサイバトロン基地に厄介になることを察し、特に咎めもしなかった。方針が決まったのでジェットファイヤー・ホットロッド・スタースクリームは幼いコンボイを連れてサイバトロン基地へ戻った。
なお、こんな状態のコンボイを見てサイバトロンのメンバーも驚いたというのは言うまでもない。
―第4日目
コンボイの子供化という非常事態により、臨時司令官はジェットファイヤーでその補佐としてホットロッドとラチェットが担当することになった。スタースクリームはコンボイの面倒をみつつ、なんだかんだ言いながらもラチェットたちの手伝いをしていた。
「…容体自体は健康という話だよな?」
「小さくなったこと以外は健康だ。しかし精神面は…」
あれからというものの、コンボイは弱音や不安らしい表情を見せていない。否、必死で隠している。プライムと一緒に遊んでいるときは明るく振舞っているが、不安にさせないために必死でふるまっているにすぎなかった。そのコンボイは今、マイクロン達と一緒に人間でいう昼寝をしている。子供になってからコンボイは今まで以上に体力に限らず、身体能力という能力が落ちていた。仕事で多少無理をしていることも多かったらしく、過労もたたってよく寝ている。むしろ、起きている時間の方が短かった。起きている時間はマイクロン達やスタースクリームと遊んでいるか元に戻る手がかりを探すためにデータベースを片っ端から読み漁っているときぐらい。最低限の挨拶や会話はするが、あまり積極的に会話をすることを避けるかのようにマイクロンと遊び、データベース探しをしていた。
「あれから皆によそよそしくなっているな」
「特に副司令と距離を置いているのだ。一番負担をかけてしまったと寝言で泣きながら言っていた」
しかし、ラチェットもスタースクリームも今はコンボイの事を見守るしかなかった。
―第7日目
コンボイが小さくなって1週間。いつもの通り、スタースクリームはコンボイの話し相手になっていた。最近すっかり、スタースクリームの膝上がお気に入りとなっている。最初は驚いたがスタースクリームも今は悪い気はしないと思っていた。プライムも目でコンボイを頼むと伝えている。やはりプライムもコンボイの負い目に気づいていたかと思った。
「コンボイ…ちょっといいか?」
「何?」
「今後のお前の身にかかわる事だから聞いてほしい。お前はその…」
と、言いかけた途端。仕事に区切りがついたのかジェットファイヤー達が来た。ホットロッドはコンボイに明るく挨拶して、ジョルトも顔を出した。コンボイはそれに対して笑顔で答えたが、まだどこがぎこちない。と、ラチェット。
「懐かれているな、すっかり」
「そう見えるか?」
「見えるぞ」
ホットロッドはジョルトに見えるだろ?と尋ねれば、面白そうにジョルトは頷いた。ジェットファイヤーはすかさず、
「子守兄さん」
と言えば、
「誰が子守兄さんだ!?誰が!!」
と思わず怒鳴り散らしてしまった。コンボイはびくっと体を震わせてスタースクリームの様子に驚いていたが、弱弱しくも彼に訴えた。
「ジェットファイヤーいじめちゃやだ…」
それは距離を置いているジェットファイヤーを庇う言葉だった。子供の前で低レベルな喧嘩をして流石に大人気ないと反省したのか、スタースクリームはコンボイにすまない、と謝った。これにはラチェットたちは意外そうな目で彼を見た。
「何だ、随分素直だな」
「コ…コンボイは別だ!…はっ!!」
己の発言に固まってしまった。またしてもジェットファイヤーはデレだの何だの弄られてしまった。その一方でホットロッドはコンボイにこう語りかけていた。
「司令官。スタースクリームは司令官の事大好きだそうですよ。良かったじゃないですか」
「ほ…本当?」
「そ…その、私を受け入れてくれたのは嬉しかったぞ…」
それを聞いてコンボイは安堵の表情を浮かべた。今度は心から嬉しそうな表情だったのに対して全員笑顔で答えた。
☆後がきの跡
子供達やマイクロンに好かれていたのを受けて、コンボイに懐く相手はスタスクにしました。後は外部の者だからこそ、いろいろ話せるという雰囲気を出したかった。コンボイは子供というか小動物っぽい?
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