マイ伝SS・第3章第2部

 ツイッタでやらかした子供化ネタ。全員生存のifとか無理ある設定です。ご了承ください…では。



 ◇第3章「終点」 第2部
 ―第170日目
 ここはデストロン基地。今日は今日で両軍の話し合いのためにやってきたサイバトロン達とコンボイの子守に抜擢されたスタースクリーム。今、指揮権のないコンボイを連れて行くことはないのだが、ランページやアイアンハイド達のメガトロンの不機嫌解消のためにコンボイを連れて行ってほしいという嘆願と彼らのとばっちりを思い、彼も一緒だった。会議も終わり、与太話をする両軍…。
 「で、どんくらい経っているか分かっている訳?おっさん」
 「おっさん言うでない!」
 スタースクリームは後10日で半年になる、と思いながらあきれた表情を浮かべていた。
 「あんたの所為でこっちがどんだけ大変だったと思っているんだ!既にこの事態になって何か月だと思っていやがる!?いい加減にしやがれ、メガトロン」
 ホットロッドは厭味ったらしく、ジェットファイヤーは怒りを隠さずメガトロンに怒鳴り散らすがメガトロンはどこ吹く風だった。
 「時間経過で戻るから良いではないか」
 「どこが…!?」
 突然、ジェットファイヤーは手を引かれたので、振り向くとコンボイがいた。
 「ごめんなさい…小さくなっちゃって…。その、注意しなかったから…」
 申し訳なさそうに呟く彼を見た途端、空気は静まった。
 「司令官、怒鳴ってすみません。それに司令官が悪いわけじゃありませんから」
 「あそこのメガトロンが悪いんですからね。自分の楽しみだけに司令官を小さくしたんですから」
 「ぬ…」
 これにはメガトロンも詰まってしまった。
 「メガトロン様…」
 「さっさと帰れ。それにお前はまだコンボイについていろ」
 それっきりメガトロンは何も言わず、その場を去ったが入れ違いにアイアンハイドがやってきた。
 「帰るのなら今のうちだぞ。ここからは自分たちが何とかする」
 「すまないな」
 
 そのデストロン達は、と言えば…。
 「メガトロン様の不機嫌は困ったものだ」
 「確かに。しかし、小さいコンボイは新鮮と言えば新鮮だったな」
 スラストのぼやきに対して、アイアンハイドは我ながら不謹慎と思いながらも本音を思わずつぶやいていた。
 「それはそうだけよぉ、メガトロン様の不機嫌メーターが常時100%は怖かったし、普段の不機嫌とはまた違うから大変だったぜ」
 「少しで戻る、辛抱」
 サンドストームの言葉に全員大きくうなずいた。後10日ほど…これをどう凌いでいくか、全員で模索することにしたのだった。その一方でスタースクリームはこの難を逃れており、羨ましいと思ったが最初あれだけ怯えていた目をしていたコンボイの子守をしていたのを思い出し、それもそれで大変だと思った。
 変わってサイバトロン。先ほどの喧騒が収まった途端にコンボイはぐっすり寝てしまった。よほど、緊張していたのか起きそうなかった。
 「司令官、寝ちゃいましたね」
 「小さくなってから寝顔をよく見ている気がする」
 そんな彼の様子を見て、スタースクリームもこの子守も悪くないと思っていたため、毒された気がしてならなかった。
 「最初の時みたいに喧々諤々になって、怯えていたのを思うと反省しないとな」
 「そうですね、副司令…。司令官の寝顔、本当にかわいいですよね」
 「メガトロン様と戦う時に見せる鋭さとは思えない和やかなオーラだからな」
 一同は慕ってやまない指揮官の寝顔に安堵しつつ、談笑を始めた。
 ―第177日目
 俺、サイバトロン軍副司令官ジェットファイヤー。テレビでは第25話から登場した。スペースシャトルに変形するぜ。だから俺しか飛行戦士いなくて、大変なんだよ…。まぁ、それはさておき、司令官が子供になってから色々と振りかえようと思う。最初は本当に小さくなって驚いたものだ。一人でデストロン基地へ行くと言って、心配だから誰か一緒にいた方が良いのでは?とラチェットと俺は言ったけど、聞かなかったんだよ…。あのとき、しっかり護衛付けていれば…と後悔したけど、いつまでもくよくよしても仕方ないと思った。スタースクリームから連絡入ったから何事かと思ったのなんの。実際に確認したら小さくなっちまったから、どうしたものかと思うより先にメガトロンに怒鳴り散らした。でも司令官の事を忘れていたのは反省しなきゃな。その時スタースクリームに懐いたから、あいつもサイバトロン基地に呼ばれたって訳。
 あの状態じゃ司令官は仕事できないし、俺が司令官として働くことになった。ホットロッドとラチェットを補佐にして臨時体制で務めた。けど司令官は俺に対して距離置いていたけど、俺の負担が増えたって気にしているのは分かっていたけどな。子供になってもこの辺は変わっていないのは流石司令官と思ったけど、ちょっとさみしかった。いきなり子供になって本音を打ち明けてくれなんて言えないし、あまり無理させたくなかったからな。でもつらい気持ちを打ち明けたときは安心したし、司令官も素直になるように頑張ると言って抱き着いてきたときは本当に安心した。けど、すぐ寝ちゃったのは微笑ましいと思ったのは内緒だ。
 そのあとは少しずつ皆と話すようになって、遊んだり調べたり話したり明るくなったな。けどあんなにスタースクリームに懐くから、あいつ結構子供受けしやすい何かがある。マイクロンも結構なつくし、ラッドたちを見ればわかる。ラッドよりアレクサだな、あいつはずっとスタースクリームを信じ続けた強さがある。司令官も懐深いし、ホットロッドは受け入れようと頑張っていた。けど俺は情けないなー、司令官にはかなわないし、ホットロッドみたいに素直になれる訳じゃない。…あ、弱音を吐いちまった。らしくない。俺は俺でやれることをやるだけ。ホットロッドが無理せず司令官が悲しい思いをせず、宇宙が平穏ならそれでいいや。
 「メガトロンは親友か…デストロンの破壊大帝を友だって断言したのは歴代でも貴方だけでしょうね」
 驚きはしたが、それでも2人には絆というものが確かにある。それは理解しているジェットファイヤーだった。自分をこの職務に抜擢した理由が何であれ、あの指揮官は自分の誇りには変わりない。
 「ジェットファイヤー、どうしたの?」
 ジェットファイヤーの仕事を手伝いに来たコンボイが不安そうに尋ねれば、彼はコンボイの頭を撫でつつ優しく答えた。
 「あ、すみません司令官。今までの事を振り返っていました…」
 「そうだったんだ。本当にありがとう。司令官代理として本当に…大変だった筈なのに」
 「良いって事ですよ」
 今日はオフですから、庭で一緒にのびのびしないか、と尋ねればコンボイは嬉しそうにうなずいた。
 ―第180日目
 ここはサイバトロン基地治療室。子供になってから主に働くようになった場所でもある。そして、いよいよコンボイが元に戻る(とされる最低ライン)日が来た。
 「うーん、何か怖いな…」
 「こればかりは私も初めてですし、どうしようもありませんね」
 マイクロンパネル争奪戦の時に行動を共にした仲間たちはこの日はオフだった。ホットロッドとグラップとステッパーはそわそわし始め、ラチェットとシルバーボルトとデバスターは静かに見守り、ジェットファイヤーは落ち着きのないホットロッド達をなだめていた。スタースクリームは元の姿に戻ったときに何かしら被害が及ばないか周囲を警戒していると同時にマイクロンを保護していた。
 「時間経過というから、きっかりかな?」
 「それはありそうですね、兄貴」
 「司令官…」
 せわしない組はまた喋り始めたことでラチェットとジェトファイヤーに小突かれたのを見てシルバーボルト。
 「やれやれだ。大体皆気持ちは一緒だ」
 「しかし、ここで儂らが落ち着かないと言っても何にならないのだから黙っていろ」
 それっきり誰もしゃべらなくなった。
 数時間後…。そのホットロッドの推測は当たったのだ。
 「へ?何…?」
 突然、コンボイの体が光始め…元に戻った。いつものコンボイの姿に。
 「ジェットファイヤー、ホットロッド、ラチェット、デバスター、シルバーボルト、グラップ、ステッパー…それにスタースクリーム…私は…」
 私…確かにコンボイはそう言った。僕ではない、いつもコンボイが使っている私だった。
 「戻ったみたい…皆、迷惑かけてしまったね」
 「し…司令かーーーーん!」
 ホットロッドは真っ先にコンボイに駆け付けて、抱き着いた。その体はとても震えていたがかなり強い力がこもっていた。でもそれだけ心配させたと思い、コンボイは小さい子供をなだめるように頭をなで始めた。そして全員コンボイにおかえりなさい、と声をそろえて迎えてくれたのだった。
 そして、すぐさまコンボイはデストロン基地へ向かった。今度はジェットファイヤーとホットロッドを連れて。コンボイは妙にオーラが黒い。これまじでやばいな…。とジェットファイヤーは内心ひやひやしていた。そうこうしている間にたどり着いた。
 「あの、司令官…司令官??」
 「ジェットファイヤー…私はこれまで君たちに負担をかける羽目になった元凶を叩きのめすから」
 気のせいか?いや間違いない。体の色が黒い。そして突っ込むのは怖い…もう黙ろう。さらばメガトロン、とかあれこれ考えがよぎるが、ジェットファイヤーはただコンボイの背中を見つめるだけだった。当然ホットロッドはあまりの豹変ぶりに固まってしまった。
 「さて、メガトロン…このツケはどうしようか?」
 まずい、目が本気だ。メガトロンは焦りを隠しきれなかった。本当に笑っていない。怒りのオーラがデストロン基地全体、いやこの宇宙を覆うのではないのか、と思える位に。
 「明らかにどす黒いオーラ漂わせるな!!」
 そばにいたアイアンハイドには立ち退くように目で語れば、彼を始め部下全員退避してしまった。そしていつの間にかスーパーモードになっていた。肩に黄色いコンボイが可愛がっているマイクロンもいる…つまり、エボリューションの用意はばっちりだという事だ。
 「…気まぐれで私たちを巻き込むな!!」
 怒りMAXのマックスファイヤーにより、メガトロンは黒焦げで基地は半壊したのだった。その後駆けつけた部下二人は呆然とするほかなかった。そして、
 「司令官は怒らせたら怖いよな」
 「ですね」
 これに尽きた。メガトロンを吹っ飛ばして、すかっとしたのかコンボイはいつもの色に戻り、プライムは緊張して眠っていた。振り向くといつも通り、温厚な表情を見せ、基地へ帰るように声をかけた。
 「コ、コンボイ…覚えておれよ…」
 「治療に専念してくださいね」
 黒こげになったメガトロンを支えるアイアンハイドの横でスラストがちくりといえば、メガトロンはすかざすスラストの頭に拳骨をよこした。
 ☆後書きの跡
 文章量考えると、どうしても3部構成にならず、第3章のみ2部構成になりました…くぅ!!
 文も書いて絵も描く人って凄いなーとか思いつつ書いています。次でこのSSもラストを迎えます。

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