マイ伝SS・エピローグ

 ツイッタでやらかした子供化ネタ。全員生存のifとか無理ある設定です。ご了承ください…では。最終回です。



 ◇エピローグ
 あの騒動から10日が経ち、スタースクリームは任務(という名の子守)を終え、デストロン基地へと戻った。コンボイも戻った直後は少し体調がよくなかったのだが、じきによくなったので、無事職務復帰することができた。トランスフォーマーたちにとって半年は短い感じがするのだが、あの出来事があってから何百万年という感覚に襲われた気がした。
 サイバトロン基地中庭。午後からはオフになっているコンボイと何やら慌てているプライム。
 「こらこら、プライム。そんなに慌てなくても私はここにいるから。それに危ないから走るのはよしなさい」
 ラチェットが新しい花を作ったことをコンボイに教えたくてプライムは走っていたが、コンボイはひょいと抱き上げた。それには少し不満だったが、このパートナーの優しさを久しぶりに感じ、嬉しさの方が勝った。
 「ここ…」
 「サイバーホークの止まり木…あ…」
 そこにはマリーゴールドが綺麗に咲いており、黄色とオレンジが交互に淡く輝いている。温かみのある色合いが自然と癒される。プライムは自分と同じ色だから嬉しかったようだ。近くのベンチに座り、その様子を楽しんでいた。
 「君とお揃いだね」
 「コンボイもお揃い」
 「え?」
 「目の色と同じ」
 「…そうだね」
 最近になってプライムもしゃべるようになった。どうやらウィリーたちに教わったらしく、コンボイと一緒に話せるようになりたいから覚えたとの事。花の事を教えたくて嬉しそうに自分に見せようとする姿も含めて、可愛いな、と思いつつプライムを膝の上に乗せた。
 マリーゴールド以外にも数種類新しく作ったらしく、それをプライムはコンボイに教えていたところホットロッドがやってきた。
 「司令官、今日はここで過ごすのですか?」
 「うん。ここでのんびり過ごすのは好きだからね。プライムも新しい花が咲いていてうれしそうな姿を見るのも楽しいよ」
 ジョルトとともに遊び始めたプライムを見て、嬉しそうに微笑むコンボイ。そんな穏やかな空気はホットロッドも漸く得た平和だな、と思いつつ副官特製の中庭を見まわしていた。が、目の前の司令官の言葉でその空気はすっ飛んだ。
 「君もジェットファイヤーの補佐、本当に頑張ってくれたのは感謝しているよ」
 「いえ、俺は…ふぁ…すみません」
 「良いよ。この半年は多忙だったのだから無理もない。あ、膝枕なんてどうだい?」
 「へ?」
 唐突の膝枕発言に目を丸くするホットロッド。流石に総司令官の膝枕ってどうなのか、と慌て始めるがコンボイ自体は気にしている様子はなく、彼の頭をなで始めた。
 「少しは年長者に甘えなさい。それに最近根を詰めていたみたいだから、ここでしっかり休むこと。良いね?」
 「あ…分かりました」
 ほとんど眠そうな顔をしているホットロッドはベンチに座った途端、すぐに寝てしまった。
 「司令官。あんまりホットロッドを甘やかしちゃだめですよ」
 「そうかい?少し休ませてあげた方が良いと思ったから」
 すっかり熟睡しているホットロッドを見て、ジェットファイヤーは半ばあきれ顔だったが気持ちよさそうに寝ているのを見ると、どこか安心できるものがあった。近くの椅子に座り、マイクロン達の寝顔を見て笑みを浮かべた。
 「プライムもジョルトも幸せそうですね」
 「マイクロン達もここがお気に入りだから、遊んだあとはベンチで良く昼寝をしているからね。私もここでスタースクリームと過ごして、彼の膝上で寝てしまったから…」
 と照れくさそうにコンボイは語っているので、元に戻ってから何かと彼に甘えていたことは気恥ずかしいものを感じていたようだ。
 「あいつも司令官があれだけ懐いてくれたのは満更でもなかったと思いますよ」
 「意地っ張りな所はあるけど真っ直ぐだからね、彼は」
 自分を信じてくれたこともだが、ホットロッドと仲良くしている様子を見て心から嬉しく思っていた。サイバトロンとデストロンの垣根を越えた絆がここにある、コンボイはそれが嬉しかったのだ。
 「ジェットファイヤー、こんな戦いが好きだと言われて反論できずマトリクスを投げるどうしようもない司令官だけど、受け入れてくれるかい?」
 「愚問ですね。俺にとっての司令官は貴方だけです。それに俺を副司令に抜擢したのですから司令官も覚悟してくださいね」
 「ん…?あれ?副司令??」
 「起きたか、この甘えん坊が」
 まだ寝ぼけているホットロッドの額を小突けば彼は膝枕の事を思い出し、それを目の前にいるジェットファイヤーに見られたと諭し、顔を真っ赤にして顔を伏せる様子を見て、二人は微笑んだ。
 ☆後書きの跡
 はい、これでマイ伝司令官子供化SSは終わりです。まさか小出しでやったネタをSSにすると思いませんでした。少なくとも司令官という重い立場なのだから子供になって仕事できない状態は色々とまずいだろ、と言うことでジェットファイヤーが司令官代理の下りを入れました。なので安易にほのぼのにはしませんでした。
 でも書いていて一番楽しかったのは3章2部ラストでマジギレした司令官です。そして小ネタの時にも書いたスタスクの「コンボイは別だ!」が一番お気に入りのセリフです。
 読んで下さった方、お気に入り登録してくださった方、本当にありがとうございました。次回はGF編ですが構想がしっかりするまで暫くお待ちください。

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