ここ、好きなんです

 文章量が文章量なだけに、1つの記事にまとめ。


 7月27日
 テリー「いや俺が送っていこう」
 テリー「部活動中の怪我は俺の責任だからな」
 麻琴「そんな、テリー先生のせいじゃないですよ!」
 ロック「オレが背負って送っていくよ」
 テリー「ロック!?」
 ロック「元はと言えば、俺がボールを取り損ねたのが原因だ。俺が送っていくよ」
 テリー「そうか?しかし、ロックからそう言い出すなんて珍しいな」
 ロック「いいだろ、別に。ほら、乗れよ!」
 麻琴「えぇ!そんな、私が勝手に怪我したんだから、いいよ!」
 ロック「でも帰れないんだろ。いいから早くしろよ」
 テリー「麻琴、珍しいご好意には甘えるもんだぞ?」
 麻琴(でも、カオリが…)
 カオリ「…ホホ、遠慮しないで送ってもらいなさいよ、麻琴」
 麻琴(ちょ、ちょっと引きつってる?やっぱりダメだよ~)
 ロック「何やってんだよ、ホラッ」
 麻琴「きゃあ!」
 麻琴(うぅ、乗っちゃったよぉ…)
 ロック「……」
 麻琴(なんか気まずいな…。何か話さないと…)
 麻琴「ね、ねぇ、重くない?無理しないで良いんだよ?」
 ロック「いや…軽いぐらいだよ」
 麻琴「ほんと?」
 ロック「ああ、テリーに比べれば全然平気だ!」
 麻琴「ガクッ。そ、そりゃあ、テリー先生に比べれば、ねぇ」
 ロック「…あの時の母さんも、こんなに軽かったのかな」
 ロック「今の俺みたいな力があれば、背負えて病院にでも連れて行けたのに…」
 麻琴「…え?」
 ロック「あ、すまない。ちょっと昔の事を思い出しちまって」
 麻琴「…ロック君のお母さん、病気だったの?」
 ロック「…あぁ、俺が7歳の時に亡くなっちまった。俺が大きくて守れたら、死ななくて済んだかもしれないのにな」
 麻琴(ロック君、そんな事があったんだ…)
 麻琴(それで、テリー先生と暮らし始めたのか。私なんかには分からない悲しい事を乗り越えてきたんだな)
 麻琴「…ううっ」
 ロック「な、何だ?まだ足が痛いのか?」
 麻琴「う、ううん!何でもないよ!」
 ロック「痛かったら言えよ。何だか柔らかくて、オンナの体は分からないし
 麻琴「ええっ!?」
 ロック「あ、ごめん。その、変な意味じゃないんだ」
 ロック「母さん以外の女の人と、あまり接した事無いからさ…」
 麻琴(今日のロック君、なんだか一杯話してくれる。顔が見えないせい?嬉しい)
 ロック「だから、どうすれば良いのか分からなくて、上手く話せないんだよ」
 麻琴(ロック君のあの拒絶するような態度は苦手だったからなんだ)
 麻琴(嫌われてたのかと思ったけど違ったんだ…よかったぁ)
 麻琴「そんなに難しく考えなくて良いよ!男の子も女の子も同じ人間なんだし」
 ロック「…そうだな。ハハ、ちょっと気が楽になったよ」
 麻琴(ロック君の背中、大きくてあったかい…。年下でも男の子なんだなぁ)
 麻琴(や、やだ、何だか胸がドキドキしちゃったよ…。どうしよう、ロック君には気づかれませんように)
 麻琴「ただいまー」
 アルバ「どうしたんだ麻琴!?その姿は」
 麻琴「クラブ中に足を挫いちゃって…」
 ロック「俺の代わりにボールを探しに行って足を滑らせたんです」
 アルバ「それで君が麻琴を背負って送ってくれたのか。ありがとう。家族の者に代わって礼を言おう」
 ロック「いえ、そんな。じゃあ俺はこれで」
 ザッ
 アルバ「うむ。今時なかなか律儀な若者ではないか。感心だな」
 アルバ「ところで、彼は麻琴の彼氏なのか?」
 麻琴「ええ!ち、違います」
 アルバ「そうか。だが彼氏にするなら、ああいう真面目な若者が良いぞ。考えてみてはどうかな」
 麻琴「アルバさんったら、からかわないで下さいよ!」


 テリー「長いな」
 緋神「当たり前じゃないですか…ほぼ全部網羅したんですから」
 ロック「2ページと少し…」
 緋神「比較対象を間違えている辺り、酷いよね」
 テリー「お前なぁ、俺と女の子を比較するなよ」
 緋神「BMI25行った中年と若々しい17歳をねぇ…」
 テリー「そうだ…って、中年はねぇだろ」
 緋神「いったぁ!痛い痛い!!」
 ロック「…それもどーかと思うよ、テリー」
 テリー「ロックに言われた!!」
 緋神「いつも突っ込み入っているんじゃないの?」
 ロック「終わるか…」
 緋神「うん、そうだね」
 テリー撃沈中のまま、終わる

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