ジン誕生日SSの前夜祭。1週間きったので、載せます。そのSSに繋がる話。
これはフリーじゃありません!注意!!
『情』
街の騒がしさ…ラグナはジンの誕生祝いの準備に取り掛かっていることに気づき、
「何か買ってやるか」
何故か、そう思えたのである。
変わってジン。あまり騒がしい事が好きじゃないからか、時分の誕生祝にわざわざ、労力を費やす者に、うんざりしていた。特に祝ってもらわなくても良いのに…といいたいが、あえて飲み込んだ。
「今日の分は終わったか」
仕事を済ませ、早々と退散するジン。ノエルが直属の部下になってからと言うものの、好ましくないため、ストレスを発散すべく外出する回数が多くなった。とは言え街の中を歩くわけではなく、静かな丘で佇むくらい。今の時期は余り出来ないので、人の少ない喫茶店で悠々とするのが彼にとって貴重な時間である。
「今日は、どうするか…まぁ、いつもの喫茶店で紅茶を飲むか」
一方、ラグナは…
「店主、この万年筆いいか?」
「良いですよ。贈り物か何かですか?」
この辺りは兄であるからか、実用性の高いものを選んだ結果、紺色のシンプルな万年筆にした。
「まぁな。弟が居るものでな。で、名前を彫ってほしい」
必要な金額を払って、ラグナは贈る相手の名前を店主に言った。店主は余り詮索もせず、万年筆に名前を彫り始め、終わったら綺麗に万年筆を包装してラグナに手渡した。ラグナも満足げになって店を出た。
「本来なら斬りかかりたいが、免除してやるぜ。ジン」
「…ユキアネサ?」
外出の準備中、ジンはユキアネサの方に視線を向けた。何かに反応している。しかし、何かは分からず、そのまま反応は消えた。
「そろそろ出かけるか」
いまだ反応した事が引っ掛かるが、今は外出しよう。そう思いつつ、ジンは統制機構を出て行った。
『あとがき』
万年筆って上品さがある雰囲気が好きです。色については、爺ちゃんの実家近くにある文房具店で買ってもらったボールペンが紺色だったからです。まぁ、シックな雰囲気があると思って選択しました。
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