相互お礼
まめこさんとの相互お礼に捧げるSSです。
旅立ち
官位が高いほど、責務と勤務の量が増えていく。カイとて例外ではなかった。だからこそ、休まず時間を惜しんで勤務にいそしんでいた。だが…、『貴方が働く分、部下が怠けますゆえ、しばらく休んでいても結構です』と執事に言われたとおり、しぶしぶ従う事になった。
家に帰るのが遅く、なかなか家事が出来ない事と清潔さを保たなければと思い、掃除から取り組む事にした。元々が質素且つ1人住まいであるから、それほど時間は掛からなかったが、書庫は、そうは行かなかった。性分ゆえに、丁寧に一冊一冊掃除をしていたのである。
「これで大方、終わりましたか…」
詩集の整頓が終わると、雑巾とハタキを片付ける事にしたが、アルバムが出したままである事に気付き、取りに行った。
見事に片付いた我が家なので、好きなティーカップに紅茶を注ぎ、茶請けの菓子を少しつまみながら、のみ始めた。
「こういう時間も良いですね…」
だがカイは、悲しくもあった。クリフが亡くなり一時は落ち込みが激しく、周囲に心配をかけていた時期があったが、何とか整理を付け今に至っている。ミニ箪笥の上にある写真立ての老人に話しかける。
「貴方が亡くなって酷く悲しく一時はどうなるかと思いましたが、ソルのおかげで立ち直れました。ギアの事も、何が判らなくなり混乱もしていました。ですが…もう迷いません。悲しくて立ち止まるのは嫌いです。なので…悪あがきでも何でも進む事にしました。それと報告があります。近々、ある国の王になります。前以上に試練は多いし、つまづくかもしれませんが、頑張っていこうと思います」
自分の答えを見つけるまで…カイは、そう呟いた。報告を終えると、再びティータイムを再開した。
一方ソルは、彼の家にある大木の影にいて、一部始終を見ていた。
「これで爺さんも、大丈夫そうだな…」
「ソル…聞いていたんですね」
突然、声がしたため一瞬、ソルは肝を冷やした。
「礼を言おうと思っていたが、その必要は無さそうですね」
「そうだな」
聞かれていた事が恥ずかしいのか、顔を下に向けるカイにソルは何事も無く振舞う。
「じゃあな」
と告げて、去って行った。
「さて…写真たてを買いに行きますか」
今のでは、味気がなさ過ぎる。と零し、部屋へと戻った。
あとがき
実際、連王就任のプロセスなんて明かしていませんが、やってしまった…。
悲しみにくれたけど、ちょっとずつ明るく元気になって行こう。がテーマですが、伝える事の難しさを知りました…。
カイは表情を出さないので実際、感情の吐露の匙加減が大変です。決して無感情ではないけど、ヒスでもない。苦労します。ソルは…余り苦労しないです(笑)。
まめこさんのみ、転載・お持ち帰りが可能です。
☆話のイメージソング(敬称略)
鈴木結女「輝きは君の中に」~忍空:OP~
鈴木結女「それでも明日はやってくる」~忍空:第1期ED~
堀江真美「歩む道」~イリスのアトリエ:ED1~
コメント
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
あああああ、ありがとうございますー!
こっそり聞いちゃってるソルと
恥ずかしくて下を向いちゃうカイに激萌えです!
ていうか王!
カイって王様になるんですか?
SUGEEEEEEE(*゚∀゚*)
一瞬王様チックな格好をしたカイが浮かんで萌え死にそうになりました(笑)
サイトにぜひとも飾りたいのですが、
よろしいでしょうか…!
素敵SSありがとうございました!
SECRET: 0
PASS: 11403e3214fad126f7ef3787f4d9d4ae
今晩は。
萌えてくださって有難うございます[絵文字:v-353]
心残りは、ややフライングネタがあった事です。謎が多いので原作に
忠実であろうと思うと、ものっそ大変でした(^□^;)
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
テスト