ギャラフォSS・第8話

 ホップ「このSSはツイッタ上で挙げた子供化ネタをSSに起こしたものです」
 バクギル「なお小ネタとちょっと違う所や無理のある設定に曖昧な時間軸なのでご了承ください」
 ベク「上記の事を承知出来たら閲覧を」



 第8話「ぬくもり」
 「コビーは折角落とした工具を見つけたのは良いけど、泥沼に落ちて泥だらけになってさー」
 「エクシゲイザー辞めてよー」
 コビーの失敗談をドレッドロックに教えれば、笑いながら彼は可愛そうだから、と返した。
 「楽しそうだね」
 「うん。あ、ドレッドロック。最近明るくなったね」
 「そう?」
 「うむ、明るい事は良い事だ」
 実はベクタープライムの膝上で大人しく座っている状態だったのだ。というか、こうなってからこれがデフォルトになりつつあった。このジジ馬鹿炸裂な時空戦士には誰も突っ込みを入れないが…、
 「ベクタープライム!頼む!!私も…」
 「総司令官…」
 親馬鹿に成り下がっているギャラクシーコンボイもまた、かなり溺愛していたのだった。ジジ馬鹿と親馬鹿に囲まれて呆れつつも確かな優しさを感じ取り、ドレッドロックは嬉しかった。
 (これは退散した方が良いね)
 (だな)
 スタースクリームの襲撃から1週間。プラネットフォースの手がかりはなかなか見つかっていないが、デストロンは大人しいため、つかの間の平穏といった所だった。ドレッドロックもファストガンナーに対して心を開いたからか、容体の確認もスムーズに行えた。その報告によると、小さくなって身体能力は落ちたこと以外の異変はなく、元の姿に戻るのも3日くらいで戻るらしい。どうやら効果がだんだん切れつつあるとの事。
 「プログラムの効果が切れつつあるのは確かだが、この理由は君がしっかり見つめていこうとする真っ直ぐな心も大きいかもしれない」
 「そうですか…?」
 どうやら膝上に乗せることを許してもらったらしく、今はギャラクシーコンボイと一緒にいるドレッドロック。お気に入りのクッションに顔を埋めてしまい、表情は分からないが、照れているのはすぐにわかる。
 「幼児化させるのであるなら対抗するのは向き合う心じゃないかって私は推測している。現に君は少しずつ皆と打ち解けているからそう思えるようになった」
 「あの…初めは何もかもが怖かったんです。でも総司令官はこうして僕の事を心配してくれたのが分かったので、それで前へ進もうと頑張れたんです」
 だから総司令官のおかげだ、とドレッドロックは言うがエクシゲイザーは異を唱えた。
 「そんな事無いって!こうしてドレッドロックは意地悪してきた俺やファストガンナーにも心を開いてくれたから、ドレッドロックも凄く頑張っている証じゃないか」
 「まあまあ、エクシゲイザー。ドレッドロック、照れちゃっているから」
 こういう所は相変わらずでギャラクシーコンボイかベクタープライムに抱き着くが、この点も最初の頃を思うとかなり減ってきた。でも微笑ましいとついつい思ってしまう仲間は多い。
 「ギャラクシーコンボイ、交代だ」
 「え?まだ15分しか経っていない…私もドレッドロックと一緒にいたい!」
 「私も一緒だ!だから代われ!」
 この低次元な争いも日課になっており、それに見慣れてしまった周囲も大概である。しかし当人は小さく、
 「総司令官…」
 と呟けば、ベクタープライムも引き下がるほかなかった。ジジ馬鹿なので幼児の言葉に弱かった。そんなやり取りの中、彼の首にかかっているペンダントが淡く光っていた。これもバックギルドの遊び心で石を右に回せば光る仕組みになっていたのだ。
 「綺麗だね」
 「凄く落ち着くの。元に戻ったら何かお礼をしないと…あ、もちろん皆にも」
 と、慌てる様子もまた微笑ましいわけで。そんな穏やかなある日の午後。なお退散しようとしていたエクシゲイザーとコビーがここにいるのは、ベクタープライムの気迫に負けたからとういうのは言うまでもない。
 そして3日後…。
 「ファストガンナー、今日は戻る日の目安なんだよね…戻るかどうかは分からないけど」
 「ああ、でもプログラムは微々たるものになってきたから、そろそろ戻るはず」
 手にはクッションではなく、鍵を握りしめていた。クッションは横にあるのだが。多目的スペースで一同、緊張していた。
 「戻る…わよね?」
 「戻るって信じよう」
 不安を隠せないローリに対して、コビーは信じていた。バドとエクシゲイザーにバックギルドはそわそわしている間にドレッドロックは光に包まれた。
 「な、何だ?」
 「まぶしい!」
 全員あまりのまぶしさに目をつむるが、その光も一瞬で消えて、恐る恐る光をさえぎっていた腕を下すと…、
 「も、戻っている…?あの総司令官、私は…」
 「戻っているから落ち着きなさい」
 ひとまず落ち着かせようとするギャラクシーコンボイ。ひとまず立って背比べをした。間違いない、元の身長に戻った。
 「皆…その、心配かけてしまったね。すまない」
 「そんなこと言わない!俺達が悪かったんだから!」
 「私も軽率だったのを謝る。本当にすまなかった」
 いつものドレッドロック(副司令)だ、とエクシゲイザーとバックギルドはいきなりタックルしてきた。ベクタープライムとギャラクシーコンボイはタックルせずとも大丈夫だ、と宥めたが離れようとしなかった。
 「えーと、ただいま…ですかね」
 「おかえり、ドレッドロック」
 未だ離れない新兵コンビをなだめながら、ドレッドロックはぎこちなく挨拶をした。バイザーの奥の瞳は温かく感じた。この様子に子供達もマイクロンも他の皆も安心したのだったが、ドレッドロックは約一名許す気になれなかった。
 「ソニックボンバー…あの時は良くも茶化してくれたな…」
 「ぎく…」
 そう、ソニックボンバーである。ファストガンナーとエクシゲイザーの事は許せても、こいつを許す気にはなれなかった。性懲りもなく規則を破る常習犯相手に油断はできない、と。
 「さて、ツケはどう払ってもらおうか?」
 「あの、ドレッドロックさん…やめて!首根っこ掴まないで!いででででで」
 「一度反省してこい!!」
 派手な踵落としをみぞおちに決めて沈めたのだった。これは誰も止めなかった。
 「自業自得よね」
 「うんうん」
 「あのードレッドロック様、鍵とクッションはどうするのですか?」
 「大切に飾るよ。このクッションは結構病み付きになったからね」
 よかったらコビー達も触るかい?と尋ねれば、子供たちは嬉しそうに飛びかかった。その様子を見て、彼もまた嬉しそうに微笑んだ。
 後書き
 ベク様はジジ馬鹿なら総司令官は親馬鹿です。ソニボンは一発かまさないとね!周囲が呆れる位のジジ馬鹿にさせちゃって、ごめんねベク様…。ホップ達もちゃんと甘やかしているよ!デザインを鍵にしたのは、ちょっとしたしゃれっ気。石だけじゃ味気ないと子供たちに突っ込まれた感じ。バックギルドは手先が器用だって設定にしています。

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