ギャラフォSS・第7話

 ホップ「このSSはツイッタ上で挙げた子供化ネタをSSに起こしたものです」
 バクギル「なお小ネタとちょっと違う所や無理のある設定に曖昧な時間軸なのでご了承ください」
 ベク「上記の事を承知出来たら閲覧を」



 第7話「鍵」
 翌日。離れ小島までたどり着いた一行。バックギルドもサポート万全で挑んだ。
 「副司令に対して手荒な真似はしないでしょうが、その道中は油断できませんからね」
 『そうだな、バックアップを頼む』
 「了解」
 バックギルドは基地で救出成功を祈るほかなかったが、こうしてサポートをするのも立派な戦いだと言い聞かせていた。
 「よし!行くぜ!」
 陽動班第1部隊のエクシゲイザー・ニトロコンボイ・ソニックボンバーが先に出て地球デストロン達を引き付け、第2部隊のオートボルト・ライガージャック・ファングウルフが続いた。
 「もう一度封印してやる」
 「俺達も手伝うぜ」
 この辺りは予想通りだった。そしてギャラクシーコンボイはチップスクエアを抱えて島へ向かった。が、待機班であるベクタープライムは誘拐を知ってから黒いオーラを隠していなかった。ファストガンナーも助けに行きたくて、そわそわしていた。
 「ベクタープライム…落ち着こうか…」
 「幼児誘拐とは卑劣な…ドレッドロックは心細くしていないだろうか、あの唇男に変な事をされていないだろうか…」
 ガードシェルはこの隠せていない殺気を抑えられないと悟った。別の意味でファストガンナーも出撃する気満々だった。手の中には鍵があった。
 「ドレッドロックの鍵だね」
 「とても大切そうにしていたから、なんとしてでも助け出してこれを渡したいんだ。許してほしいからじゃなくて、困っている仲間を助けたいからって…」
 一方、ギャラクシーコンボイは難なく島にたどり着いた。
 「来たぞ、スタースクリーム」
 チップスクエアをしっかり見せて叫べば、指定された入口が開いた。そこはただの一本道になっていたが、ためしに小石を投げてみた…特に何も起きなかったものの慎重に進んだ。流石にチップスクエアを傷つけるわけにもいかないのだろう。そう思い、先へ進んだ。
 ギャラクシーコンボイが島へたどり着いたころ、待機班はというとファストガンナーとベクタープライムはいてもたってもいられず結局彼の後を追うことにした。
 「止めはしないが無茶だけはするなよ」
 「分かっている。行きますか」
 「うむ。ルーツ、私が変形し終わったらこのワイヤーを括り付けてほしい」
 と頼むとルーツは頷いた。だが黒いオーラを隠す気のない主にルーツは固まりつつもちゃんと頼まれたことをこなした。
 「いざ、スタースクリームの元へ!!」
 ガードシェルはあの勢いでは島ごと真っ二つにしかねないと心配しているが、ひとまず所定の待機場所へ戻った。
 「ここか…」
 「速かったな」
 目の前にはマスターメガトロンのもとを離れたスタースクリームがいたが、ノイズメイズは見かけなかった。それは引っかかるのだが、今は救出が先だ。
 「チップスクエアはここにある。ドレッドロックを返してもらおうか」
 「だったら自分から来い。でなければ条件はのめ…」
 と勝ち誇ったように言いたかったみたいだが、思わぬ乱入者により頓挫した。ベクタープライムだった。それも物凄い殺気と怒気をスタースクリームに向けていた。
 「貴様かああああ!この私が成敗してくれる!!」
 「ちっ!フォースチ…」
 「させるか!」
 ファストガンナーはバックギルド特製のスライム弾でスタースクリームの動きを封じた。
 「この変態参謀が!よくも誘拐してくれたな!幼児誘拐は私が許さん!引きずりおろして細切れにしてくれるわ!」
 明らかにキャラ崩壊をしている、というスタースクリームの尤もな突っ込みは一切無視して、ベクタープライムは容赦なく切りかかった。流石のスタースクリームもこれにはかなわず、防戦一方だった。
 「ノイズメイズはどうした!?」
 「このクロワッサンか?手近な良い武器だ。これでお前を殴る」
 クロワッサンって何!?という当人の叫びも無視してノイズメイズを使ってひたすら、スタースクリームを殴り始めた。あまりの変貌に誰もがびびったが、それにひるむスタースクリームではなかった。皮肉にも殴り続けたせいでスライム弾の効果が切れてしまい、逃げられてしまったが、ノイズメイズ共々ボロボロだった。
 「この島は噴火するらしいから気を付ける事だな」
 「待ってくださいよー」
 チップスクエアを諦めて逃げ出したと同時に島は噴火し始め、奴が仕掛けたのか辺りは爆発し始めた。
 「しまった!ドレッドロックが…」
 「大丈夫です。救出成功しました」
 ファストガンナーの腕の中には確かにドレッドロックがいた。ギャラクシーコンボイはすぐさま駆けつけた。
 「緊張の糸が解けて眠っています」
 「そうか…ベクタープライム。早く逃げるぞ」
 「そうだな。彼が無事で何よりだ」
 こっちはお前の暴走が止まって何よりだよ、とファストガンナーもギャラクシーコンボイも思ったが、とてもそんな事は口が裂けても言えなかった。ベクタープライムがあけた穴から全員脱出し、帰還すると仲間たちが温かく迎えてくれた。
 その日の夜。ドレッドロックはスタースクリームに何かされたわけではなかったことが分かったものの一応容体を診る為、治療室にいた。
 「ドレッドロック、これじゃないか?探し物」
 「あ…鍵。有難う。どこにあったの?」
 先日の警戒心は嘘のように彼は嬉しそうに礼を言った。
 「お前の部屋に入って探したら、あった。無礼は承知だ、すまない。けど、あれだけ大切にしている様子を見ていたら絶対見つけ出さないと思ったんだ。許してくれと言いたい訳じゃない、困っているお前を助けたかった。もとはと言えば私のせいでこの姿になってしまったのだから、その償いは必ず…」
 「そんなのいらない」
 ドレッドロックの意外な言葉に驚くファストガンナー。彼はつづけた。
 「感情任せに外へ出て迷惑かけたことでみんなに悪いことしちゃったし、探してくれる気持ちは嬉しかったのに恐怖心が先になって払いのけた僕も謝らないと…。探してくれてありがとう、ファストガンナー」
 「…すまない。本当にすまない…」
 「言いっこなし」
 なお、この様子をギャラクシーコンボイはしっかり見守っていたのは言うまでもなかった。
 ―スタースクリームはというと、アジトで治療中だった。
 「ベクタープライムってあんなに強かったんですか?」
 「知らん!」
 子供が絡んでくるベクタープライムは危険だ、とスタースクリームもノイズメイズも学習するようになったとかならないとか。それを差し引いても、しばらく不機嫌なスタースクリームであった。
 後書き
 ファストガンナー編後編でした。スタスクをギャグにしてしまった…。ベク様のアレやりたく、ああいう風に仕上げました。もっと暗い方向だったけど、すべてやめてこの方向に。鍵自体は防犯グッズ感覚なのですが、ある意味きっかけになると思わなかったですね。
 誘拐駄目絶対。幼児誘拐(元は幼児じゃないけど)は変態と言われても仕方ない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました