捧げものSS・SL

 エーデルワイスさんからのリクエスト「スーパーリンクでチームコンボイのドタバタギャグ」です。エーデルワイスさんのみお持ち帰り可能です。



 ある日のチームコンボイ
 「ねみぃ…」
 遅くまでロードバスターの訓練に付き合っていたため、寝不足なキッカー。一通り身支度をして、朝食をとってもまだ眠い。だがそんな眠気はスカイファイヤーとホットショットは絶叫ですっ飛んだのだった。
 「ミ、ミーシャ!?何があったんだ?」
 「キッカー。それが…」
 あれ?コンボイはどうしたのだ。ひとまず一緒にいるトランスフォーマーたちを確かめる。スカイファイヤー、ホットショット、インフェルノ、ロードバスター…で、目の前にいるのは?可笑しい、コンボイってもっとがっしりしていなかったか?妙に目が大きい。そして…、雰囲気違わね?
 「コ、コ、コ、コンボイなのか!?コンボイなのか!?」
 「そうだよ、キッカー…」
 声ちげぇ!凄く落ち着きがあるし、何か朗らかだ。ちょっと経って、
 「どうしてこうなったあああああああああああああああ!」
 静かな朝はキッカーの絶叫で終わりを告げたがスカイファイヤーは諦めたかのごとく、コンボイに話しかけた。
 「司令官、その姿久しぶりですね」
 「スーパーリンクできないのは痛手だけど、何とかしのぐしかない」
 スカイファイヤーはすでに突っ込みをやめ、今の状況を打破することに専念した。インフェルノも最初は驚いただけで特に何事もなく原因を探っている。ホットショットも同様だった。が、ロードバスターは何やら真剣になっていた。
 「グランドコンボイ司令官と呼べばいいのかコンボイ司令官が良いのか…」
 「そこじゃねぇだろ!急に昔の姿になったことに少しはリアクション見せろ!!」
 キッカーは相棒の足を思いっきり蹴飛ばしたのは言うまでもない。
 休憩室でスカイファイヤーとホットショットはコンボイとともに昔話をしていた。
 「お前はとにかくやんちゃだったな」
 「副司令は今ほどハイテンションじゃありませんよね」
 軽口叩き合っている二人を見て、微笑むコンボイ。そういえば、前は結構落ち着いていて今のようにノリノリじゃなかった、と思い出した。けど、どこかほわんとしていて心配になる。いや、頼もしいけど平時は…な気持ちになってしまうのだ。
 「何か外が騒がしいな」
 ひとまず外へ出る3人。そこには、デストロン軍がマイク片手にやってきた。それだけではない。以前の姿に戻っている者多数。ガルバトロンではなく、クワガタンクがそこにいた。
 「遊びに来たぞ」
 「じゃないだろ!…ってあれ?俺も??」
 スカイファイヤー・ホットショットも以前の姿に戻っていた。インフェルノとロードバスターは驚くほかなかった。
 「ど、どうなっているのでしょうか?」
 「私にもわからないが…あのユニクロン戦役に参戦していた戦士はみんな前の姿になっているとしか言いようがない」
 だがそんなチームコンボイ達を無視してメガトロンはカラオケ大会する気満々だった。サンドストームに至ってはえびチャーハン持参、アイアンハイドは背中にカラオケマシンを背負っている。ショックウェーブは仮装グッズを山ほど。どんだけ好きなんだよ、お前ら。
 「というわけだ。基地を貸せ」
 「貸す訳ないだろ!急に押しかけて何を…」
 あつかましいメガトロンの態度に腹を立てるコンボイ。だがそんなことでくじけるメガトロンではなかった。
 「なら野外だ、者共セットを…」
 「そんな所でカラオケをする奴がいるかああああああ!」
 結局、基地の中でカラオケ大会と物まね大会をする羽目になった。
 「千年のソルジャーから行くぞ!」
 待ってました、と言わんばかりにえびチャーハンをアピールしまくるサンドストーム。そしてなぜか血が騒ぐと言って乗り気になってしまうロードバスターにジェットファイヤー。ダメだ、何もかもが追い付かなくなっている。キッカーは突込みが追い付かない状況だった。コンボイはすでにげんなりしている。目で分かるのだが、心なしか青いアンテナも下がっている。結構わかりやすいのだろう。インフェルノは物まね大会でサングラスだの邪眼だのオカマだの完全に乗り始めてしまった。
 「副司令、何故にwhy?広島弁に…」
 「わしゃあ、ちょっきんなーって付けるんじゃ!」
 特に酔っ払いテンションが酷いのはジェットファイヤーとロードバスター。
 「アルファQも…」
 嫌な予感しかしない。振り返ると…やっぱりいた。
 『あたちの出番はまだっすか!?』
 「お前もかあああ!」
 収拾がつかなくなってきた。メガトロンの暴走は終わらない。コスプレ大会まではじめようとしたのだ。
 「コンボイ、貴様は指パッチンで炎を出せ。手袋つけろ。軍服だ」
 「無茶いうな!私はそういう仮装をする趣味はない」
 「なら女に受けるふりふりのメイド服でそのアンテナにヘッドドレス付けて、可愛らしく変身しろ」
 「誰がするか!」
 調子に乗ってどこから出したのかわからないメイド服共々、メガトロンを拳ひとつでノックダウンさせるコンボイだった。しかし、そんなことで終わるクワガタンクではない。倒れて安心したと思えば、コンボイの足首を掴んでクワガタンクはまだメイド服を諦めていない。意外な点を狙うのが良いというが、それを素直に聞くコンボイな訳がなく、あっさり撃沈した。
 「メガトロン様―!お気を確かに」
 「えびチャーハンはありますぜ」
 アイアンハイドはまだしも、既に起こす方法を間違えているサンドストームにナイトスクリームは容赦なくハリセンで突っ込んだ。サイバトロンはというと、ジェットファイヤーはホットロッドの釘バットでようやく沈んだが、ロードバスターは止まらなかった。
 「ラブマシーン、ロドちゃんで~す。エンジョ~イ」
 「どこの酔っ払いだ、お前はあああ」
 この突込みはむなしく響くばかりであった。コンボイも異様な空気にどうしていいかわからず、ただひたすら静かになるのを待つしかなかった。
 「メガトロン…頼むからカラオケは辞めてくれ…」
 「コンボイ、俺…疲れた…」
 船内。グランドコンボイは治療中に転寝していたと思えば何やら夢の中で格闘中、キッカーも夢の中だった。
 「し、司令官?」
 「キッカーもうなされているので心配です」
 ホットショットもミーシャもうなされている二人の事が心配で仕方がなかった。そして同じ夢を見ていると知ったのはこの数日後だった。
 おまけ
 レザ「待ってアルファQ、彼らは仲間よ。そしてあたしはオカマ」
 ガル「きもいわ、馬鹿者!」
 レザ「ひでぶ!」
 後書き
 夢オチすみません…。コンボイは真面目で何でも抱え込みがちだから夢の中でもそれが反映されそうなのとキッカーは単純にロドバのお馬鹿っぷりに呆れたのと疲れが混ざった結果。ドタバタ感が薄いかも…。

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