戦国無双4SS→捧げもの「人気投票上位組の愉快?波乱なハイキング」

 フォロワーさんへの捧げものです。テーマは「半兵衛&幸村」です。
 三成「えー、今回は一部外来語を平然と使っているから注意願いたい」
 吉継「分かりやすさ重視としては仕方ない流れだな」
 信之「それと例によって例のごとく、女性向け描写があると思うので閲覧は注意すること。後、やたらと私の事をブラコンとか言うものじゃない!幸村馬鹿だあああああ!」
 三成「ああもう、お前は黙れ!アナウンスにならないのだよ!」
 幸村&兼続「「では皆さん、本編をどうぞ」
 三成「(信之を抑えつつ)幸村…よくやった!今の〆は良いぞ!」
 信之「(三成を殴りつつ)うむ、可愛かったぞ」



 人気投票結果が明かされ、少し経ったある日の事…。
 「兄上、秀吉様からの贈り物です」
 「どれ…」
 そこには上位10名へのささやかな贈り物…3泊4日の旅行だった。しかし、妙な札が一緒に入っていた。
 「何でしょうか?この札は?あ、私は2番で兄上は1番ですね」
 「…とにかく屋敷へ向かおう」
 「おー、全員来たかー」
 「秀吉様、旅行は分かるのですがこの札はいったい?」
 三成は真っ先に尋ねれば秀吉。
 「そこに書かれた番号と同じ者同士で一緒に旅行をするんじゃ。因みに目的地は一緒じゃが5組で道順違うからな」
 「なるほどなのじゃ…わらわは5番なのじゃ!」
 ガラシャが意気揚々と番号を掲げると…、
 「私ですね。よろしくお願いします」
 「ほむ」
 隆景はガラシャに軽く挨拶をした。
 「俺は3番か。吉継、お前は?」
 「俺も3番だ」
 先ほどの組み合わせが変化球なら、こちらは無難な感じとなった。なお、クロニクル組も同じことが言える。
 「高虎さん、よろしくお願いします」
 「ああ、こちらこそ」
 残るは真田兄弟・左近・半兵衛となった。ひとまず4人は一斉に札を見せることにした…。
 「俺は信之さんと、幸村は半兵衛殿と一緒か」
 「そうですね…え?兄上!?」
 いきなり、膝をつく信之に戸惑いを隠せない幸村。いきなりブラコン炸裂と困った男である。
 「幸村と一緒に旅行したかった…」
 やっぱりね。そんな信之をよそに半兵衛は幸村に挨拶した。
 「君と一緒になっちゃったね、よろしく。お兄さんが道案内しちゃうぞ~」
 「頼みますから火に油注ぐことしないでください…いででで!信之さん、痛い!足痛い!!踏まないで!!!」
 早速とばっちりをくらう左近だった。
 と、波乱になった序幕だが幸村と半兵衛組は特に何もなく歩いていた。
 「うーん、こうしてのんびりできるのは嬉しいなー」
 「そうですね。半兵衛殿、大丈夫ですか?官兵衛殿いきなり書物で頭を叩いていましたが…?」
 「あー気にしないで」
 とはいえ、かなり大きいこぶができているので心配である。
 「そんな泣きそうな顔しないの。官兵衛殿は遠慮なさそうに見えて色々と気にかけているから」
 「は…はい」
 犬っぽいなー、と思いつつ半兵衛は幸村の頭をそっと撫でた。戦場では勇猛果敢だが平時では温厚な青年と極端な所がある。だがどこか危うい…そんな気がするのだが、今それを考えるのはやめた。
 「そういえばさー、あの方角から悲鳴ばかり聞こえない?」
 「確かに…いったい何が起きているのでしょうか?」
 自分たちはのんびりできているが、他の8人がどうなっているのか気にはなるが、道順を破るわけにもいかないので、言われた道を歩き続けることにした。
 「それはそうと、今回の人気投票で奇数のナンバリングが初参戦なのって、俺と幸村だけなんだって。他は二人以上いるのになんか寂しいなー」
 「でも、こうして私と半兵衛殿を支持して下さる方がたくさんいると思えば、これほど嬉しい事はないと思いますよ。気を落とさないでください」
 幸村は笑顔でそう答えると半兵衛は気を取り直すため、背伸びをした。
 「今回はクロニクル組と4組が凄く頑張っているのを思うと常連で固定されるよりいいかな?案外波乱がある方が面白いのかも」
 「何と言いますか、バランスは大事だと思いますよ」
 などと二人はのんびりしているが実はこの旅行、秀吉とねねが主だって悪戯を仕掛けた地獄のハイキングである。なお罠も仕掛けもない当たりルートはあるが、幸村と半兵衛組はその当たりルートであった。しかし他の4組はそうではなかった…。
 「なんじゃこりゃあああ!さっきから罠ばかりじゃないか!」
 「…遠距離攻撃でも撒けない流れだな」
 三成と吉継はブービートラップコースで容赦ないトラップの嵐に見舞われていた。全5コース中、最も過酷なコースである。どこまでも運のない三成とどこまでも冷静な吉継の正反対なリアクションは見ものだったとかなかったとか。
 (我輩が新規開発した茶釜爆弾は傑作だ!)
 (久秀殿…ほどほどに)
 因みに光秀は巻き添えである。
 続いて信之&左近は…、案山子を一定数壊せばいいので比較的楽なコースだが…、
 「ゆ…幸村がいっぱいいる…だと…た、倒せない!!」
 「あれ案山子ですから!本人別の道行ったじゃないですか!」
 「それでも私の可愛い弟を傷つけるなんてできない…幸村…すまない…」
 こんなあほな手段に引っかかる信之に左近はそろそろ胃に穴が開きそうだった。
 (あの坊主…本当にド阿呆だな。弟絡むとマジで盲目になりすぎだろ)
 (お館様、言っちゃ駄目です…)
 北条軍は知らぬ顔故に頼まれたが、ここまでのブラコンを見なければならないのは苦痛であると同時に左近に同情せざるを得なかった。
 「動物ばかりじゃねーか!!何だ、この道は…」
 「イノシシ、クマ、オオカミ、コウモリ…まだいるかもしれませんし、油断できませんね」
 「だな。協力して目的地までたどり着くぞ」
 三成とは別の意味で地獄のコースにあたっていた高虎と直虎は何だかんだで良い感じの雰囲気だったため、協力者である孫市は色男決定戦の際、高虎を入れなかった事を後悔した。
 (藤堂高虎…覚えたぜ!!)
 第2の色男決定戦を開催する気でいるが、またそれが女性にもてない理由だというのに気付いていない孫市に小十郎は呆れるしかなかった。
 最後のガラシャ&隆景は謎を解いた後、障害物を壊していくという変わったルールだった。注意書きには障害物の中にある白い球を一定数集めれば進めるというものだった。
 「中々手ごわい問題が多かったのですが、気づけば簡単に解けて良かったです」
 「わらわが障害物を壊し、隆景が謎を解く!分担作戦が上手くいったのじゃ!」
 特に苦戦しておらず、寧ろ楽しんでいた。
 (儂たちが作った問題、あっさり解いちゃったね)
 (さすがだね、隆景。結構自信あったんだけどな)
 だが、しっかり正解している隆景を見て信玄も元就もどこか満足していた。
 そんなこんなで(一部除き)ボロボロになりつつも全員旅館へたどり着いた。…のだが、
 「幸村あああああ!やっと会えたあああ!私は再会できてうれしい!」
 「兄上…苦しいです…」
 「うわ…引くな…」
 「言っちゃ駄目です」
 一番乗りだった幸村と半兵衛は最初に温泉に入っていたが、出た直後に信之と左近が到着した。当然、本人を目の前にして大人しくできるほど、信之は出来ていない。とことん幸村馬鹿であった。それを見かねた半兵衛は信之を宥めた。
 「はいはい、君もそんなに興奮して抱きしめないの。幸村困っちゃうでしょ。先に温泉入って泥でも落として綺麗にしたら?それからでも遅くないと思うよ」
 「は!…幸村すまない。私はこれから温泉へ入る」
 「分かりました。では、この広間で待っていますね」
 早速、左近と信之は浴場へ向かった。
 「半兵衛殿、有難うございました」
 「あんなお兄さんいると大変じゃない?」
 「私たち兄弟は共に協力して真田を守ると決めたのです。私の武と兄上の知が合わさっているから、こうして進めるのです。その…私も…兄上とずっといたいと…思っているのです…」
 恥ずかしそうに幸村がそう答えると、半兵衛はお互いブラコンか、と思ったがやはり信之の方が重症だと思った。
 おまけ
 高虎「つ…ついた…」
 直虎「はぁ…猛獣だからで大変でした」
 三成「猛獣だと…こっちは罠だの爆弾だの散々だった」
 吉継「串刺しになりかけた」
 高虎「お前らも大変だったんだな」
 隆景「お疲れ様です。皆さんも温泉入ったらどうですか?眺めもいいですよ」
 ガラ「早く入ると良いのじゃ」
 高虎「なんか、道によって差がありすぎだろ‥」
 隆景「因みに幸村殿と半兵衛殿は何もなかったそうですよ」
 高虎「なんだと!?羨ましいな、それ!」
 吉継「運がいいのだな」
 三成「そうじゃないだろ!」

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