診断メーカーの結果をもとに書いてみました。女性向けかもしれないので閲覧注意。
設定
☆喫茶店名は『ロッソ』 ※ロッソはイタリア語で「赤」。
☆リィン→パティシエだけど普通に料理も作れる。クロウ大好き。本編同様、養子ということに引け目を感じている。
☆クロウ→喫茶店の現場リーダー。トワ・アンゼリカとは腐れ縁。なんだかんだでリィン大好き。悪ぶっているが結構な世話好き。
☆アリサ→リィンの親友でアンゼリカとは古馴染み。店の経理担当。トワの補佐もしているしっかり者。
☆エリオット→リィンの親友。パティシエ。趣味はヴァイオリン演奏で偶々やった店内演奏が好評を博して月1ぐらいのペースで開催している。
☆トワ→喫茶店店長。現場も大事にしている。小柄過ぎて最年少と思われることをかなり気にしている。
☆アンゼリカ→クロウの悪友だがアリサとも付き合い長い。ウェイター。本編同様、名家の令嬢だが家出中。スデゴロ強い。
この話は帝都ヘイムダルにある喫茶店で働く若い衆の日常である。
「はぁ…」
「溜息ついていないで仕事しろ」
「だったら俺の悩みを聞けよ!そんでもって俺のために飯作って慰めろ!!」
「朝から馬鹿な悩みを聞かされる俺の身にもなれ!バカ!!それとさっき朝飯食べたばかりだろ!」
腐れ縁のアンゼリカに気にかけていた女性を取られただけでなく、競馬の予想が外れて朝から撃沈しているクロウの頭に容赦なく新聞ではたくリィン。こういっちゃなんだが、この二人のやり取りは店の名物でもある。
「でもリィンって何だかんだでクロウ大好きですよね。トワ先輩」
「うんうん。クロウ君もリィン君の世話焼くの好きなのにねぇ…」
喫茶店『ロッソ』の店長ことトワ・ハーシェルとリィンの親友エリオット・クレイグは二人の漫才光景を見て素直になれない事にため息をついていた。それと同時にアリサとアンゼリカも下りてきて、6人の何気ない日常が始まるのであった。
(ははは、リィン君は既に一人分の食事を作っているみたいじゃないか)
(まあ食べさせる相手は誰だかすぐにわかりますけど…)
「いやー、お前って本当に気が利くよな~。軽食もだけどデザートの抹茶プリン良かったぜ」
「あんまりグダグダされても困るし…それに…」
自分が前へ進む切欠になった事や他者と距離を縮めようと思った初めての人とは恥ずかしくて言えなかった。それを分かっていてクロウはニヤニヤしていた。常連であるフィーがいたら「気持ち悪い」とぶったぎるぐらいの。
「何恥ずかしがっているんだよ」
「だ、だって…むぐ」
クロウは問答無用でオムレツをリィンに食べさせながら頭を撫でた。こうすると大人しくなるからだ。そう、初めて会った時から変わっていない。
「パティシエとして色々と試行錯誤を繰り返す姿勢は悪くねぇ。料理も普通に美味い。だが皆に頼ることもしっかり覚えろ」
「…」
「顔赤いぞー。もしかして俺様に惚れちまったか?」
「え、そういう訳じゃ…あ、クロウの事嫌いじゃないよ。でも、えーと…どう伝えて良いかな…」
リィンがそういう意味で自分の事を好いている訳じゃないのは分かっているが弄りたくなるのがクロウの悪い癖である。が、今日はタイミングを間違えていた。後ろの気配が怖い。
「クロウ君…リィン君苛めちゃ駄目って何度言ったら分かるの!」
「君のような大ばか者を純粋に慕ういい子なのにねぇ」
「貴方ねぇ…リィンが甘えたになるのをいいことに何やらかしているのよ…」
「節度って大事だと思うよ」
「げ…」
4人のバーストアタックを食らう前にクロウは猛ダッシュで店を出た。そしてアンゼリカを先頭にしてそれを追いかける4人をリィンはただ呆然と見ているだけだった。
「えっと…もう俺からすれば存在が大きくて好きとかそういう言葉で言い表せないんだよな…」
と、誰もいなくなった店内でぽつりとつぶやいた。
その頃のクロウは都内を必死で走り回っていた。
「だから一斉攻撃は卑怯だろうが!」
「だったらリィン君に対して愛のささやき位かましたらどうだい?」
アンゼリカの爆弾発言に今度はクロウの方が顔を真っ赤にして怒鳴ったのは言うまでもない。
おまけ
クロウ「はー今日も終わったー」
リィン「お疲れ様。はい、アフォガード」
クロウ「あんがとさん。お前が作るとコーヒーの香りが良いんだよなぁ」
リィン「ありがとう、でもそれはマキアスの選ぶ豆は香りが良いからな。感謝しないと」
クロウ「そうそう。にしてもお前も淹れるの上手くなっているぜ」
リィン「あ、ありがとう…」
クロウ「…安心しろよ。俺もここにいる連中もお前やお前の家族を罵るような奴らじゃねぇよ」
リィン「わ、分かっているって。でも記憶もないし、出自の分からない俺を引き取ったせいで父さんは酷い事言われるようになって、俺…」
クロウ「そう…だったな。数年前、お前の周りにいたガキどもを俺が追い払った時覚えているか?」
リィン「うん…。エリゼもいたから守ろうと必死だったところをクロウがいきなり蹴りをかまして追い払った時だったな」
クロウ「そう。爺さんには怒られたけど後で事情を話したら半分許してもらった」
リィン「そうだったのか」
クロウ「蹴った事は叱られたけど、お前を守ろうとしたことは褒められたって所だな」
リィン「その事だけど…クロウが初めてだったんだ」
クロウ「ん?」
リィン「ユミルの人たち以外で俺の事を偏見もなく接してくれたのはクロウが初めてだったんだ。だから、その…」
アリサ「貴方がクロウに甘えがちな理由はそこだったのね」
エリ「無理ないかな」
リィン「あ…」
トワ「うーん、ちょっと羨ましいなぁ」
アン「これもまた愛だねぇ。リィン君は本当にクロウが大好きなのはよく分かったよ」
クロウ「ゼリカアアアアアア!茶化すんじゃねぇ!」
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