小説 PSYCHO-PASS サイコパス (下) (2013/04/04) 深見真、ニトロプラス 他 |
小説版下巻・漫画版6巻のあの話。
「で、肝心のチョコは?」
結局、宜野座に絞られた佐々山(気にしていないが)に、狡噛は何気なく尋ねた。
「ここにある」
「…ギノらしいっちゃらしいな」
怒るけど結局、人数分きちんと揃えている彼の律義さに苦笑いだった。征陸の方を見ている。チョコを食べていた。こういっちゃなんだが、なんだか合わない。
「コウ、光留…伸元からの贈り物を無碍にしたら、どうなるか覚悟しておけよ」
「とっつぁん、目が笑っていない!」
「左は勘弁してくれ」
狡噛は征陸にそのいきさつを説明した。佐々山は左のストレートを覚悟していたが、意外な事に振ってこなかった。
「どんな形であれ贈り物って言うのは嬉しいものだ」
「とっつぁん…」
「だが伸元は純粋だから程々にしろ。でなければ、本当に左で飛ばすぞ」
とびっきりの笑顔で征陸は佐々山の肩をつかんだ。ありったけの力を左にこめたうえで。
「は、はーい…」
一方、その宜野座は休憩室にて青柳と話していた。
「青柳、チョコと紙袋を有難う。他の3人の分はあとで俺の方から渡しておく」
「いいの、いいの。それに…君も随分もらっているわね」
「いきなり渡されて驚いた」
朝からチョコを沢山渡されてどうしたものかと戸惑う宜野座に青柳はくすくす笑っていたが、内心自身の容姿に鈍いので少し心配だった。この容姿で惹かれない女性がいたら、見てみたいものである。青柳は綺麗だと思っているが、特にキャイキャイ言うほどではない。年に似合わず素直な所が面白いと思っているが。
「そろそろ戻るか」
「そうね。じゃあね、宜野座君」
「ああ、また」
青柳と別れて程なくして、宜野座はデスクへ戻ってきた。
「青柳から3人分のチョコを預かった」
「そっか、悪いなギノ…ってお前、その紙袋に入っているチョコの山は?」
「俺の分だ。狡噛の分は白い紙袋、征陸はベージュの紙袋だ」
青柳のチョコを含め、宜野座は3人宛てのチョコを渡した。
「俺は?ギノ先生」
「青柳以外はなかったが、どうしたんだ?」
「…なんだよ、狡噛とギノ先生大量は分かるぜ。けどな、とっつぁんはそこそこの数なのに…なんでだあああああ!?」
この後、志恩の所へ駆けつけて愚痴をこぼそうとしたが、門前払いを食らったのは言うまでもない。
おまけ
六合塚「宜野座さん、また今年も…」
宜野座「眼鏡を辞めた途端に増えた気がするんだが…」
志恩「増えているわよ、確実に。私は眼鏡派だけど」
宜野座「いや、だからあれは目元を隠したいだけであって今は特に…」
朱「でも眼鏡ない方が格好いいですよ、宜野座さん」
須郷「眼鏡をかけていたんですね」
六合塚「この人、色々と悩みとか苦しみとか抱え込んでいたから」
雛河「あ、あの…平気?」
宜野座「昔を思えば気持ちの整理がついてきているから大丈夫だ」
志恩「それにしても食べ切れるの?」
宜野座「これでも合間を縫って食べていたんだけどなぁ…」
朱「それで、この体型ですか!?」
宜野座「常守?」
霜月「有り得ない…何でそんなに細身なんですか!?女としちゃあ黙っていられないです!」
宜野座「霜月監視官…いったい何を…?」
霜月「その体型維持の秘訣を今すぐ言ってください」
志恩「その身長でこの体重ってのも凄いわね。やせ形じゃないけど。まあ、こんないい男見て惹かれない女がいたら、見てみたいわね」
須郷(宜野座さんは鈍いって話、本当だったんだ…青柳監視官)
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