マイ伝SS・第2章第1部

 ツイッタでやらかした子供化ネタ。全員生存のifとか無理ある設定です。ご了承ください…では。



 ◇第2章「生活」 第1部
 ―第66日目
 サイバトロン基地にある膨大なデータベース。地球で言う図書館に該当する部屋だが、ここでコンボイは元に戻る手がかりを探し続けていた。素粒子コントロールの詳細は最初の時に調べたので概ね把握したが、肝心要の元に戻る方法が時間経過というメガトロンの言葉を聞いても信じ切れず、こうして毎日専門書を探しては読み続けていた。だが今は子供。体が小さくなり、届かない端末だってある。
 「えーと、このデータはあそこか…うーん…」
 背伸びして取ろうと試みたが、うまくいかない。あと少しで届くのだが届かない。そんなもどかしい気持ちだったが、
 「司令官。このデータですね」
 「あ、ジェットファイヤー。有難う」
 「取れない端末があったら、ちゃんと言ってくださいよ」
 そういって端末を渡すと、コンボイは大きくうなずいた。端末を貸し出す手続きを終え、ジェットファイヤーと一緒に退室した。
 「このデータも外れかな…なんか違う気がする」
 「司令官、焦ってはいけませんよ」
 「うん…」
 一通り読み終わると、読んだ端末の大まかな内容を記録しては元の場所へ戻していた。確かに手がかりを探すのは大切だが、それでコミュニケーションがおろそかになることは避けていたので、時間と冊数をラチェットたちと一緒に決めた。今日の分は読み終えたので、すぐさま返しにデータベースへ向かった。
 「司令官、確かに返却承りました」
 「ありがとう。これで全部返したよね?」
 「はい、大丈夫ですよ」
 職員にすべてのデータを返して、コンボイはラチェットの元へ戻った。
 ―第72日目
 「司令官、どうしたんですか?」
 「ラチェットと一緒に庭の植物がおかしくないか診ているの」
 「そうでしたか」
 「定期的に診ておかないと、故障してしまうからな」
 ラチェットは脇に抱えたファイルに手際よく症状の有無を入力していた。テーブルの上には診断の終わった植物のカルテが置かれていた。ホットロッドは専門的なことは分からないが、どの植物も大丈夫みたいなことが書かれているのは何となくわかった。
 「サイバーホーク、お疲れ様」
 「どれ…特に問題はなさそうだな」
 「にしても綺麗だな、どの植物も」
 規則的で様々な色に光る様子は地球のそれと大きく異なるものの、機械的でありながらどこか幻想的であった。
 「とっつぁん、この庭ってラッドの持っていた写真を?」
 「それもあるが、図鑑や任務中に見てきた風景を参考にしてみた」
 サイバーホークも気に入っているのでな、と言えばサイバーホークは近くの木に止まって休憩した。どうやらこの木がお気に入りの場所らしい。プライムもコンボイもその様子を見て、なんだか安心していた。
 「司令官、あまり無理してはいけませんよ。手伝いは嬉しいのですけど身体能力は落ちていますし」
 「はーい」
 ―第84日目
 「…無理しないでくださいって言いましたよね?」
 「ごめんなさい」
 ラチェットの仕事部屋ことリペアルーム。いつも通りコンボイは、基地の片づけやラチェットの手伝いをしていたのだが、高い場所にあった端末を見つけて、取りに行こうと台を使って登ったが、足を滑らせてしまい大けがを負ってしまった。一緒についていたプライムはたまたま通りかかっていたデバスターに状況を説明し、彼はコンボイを担いでリペアルームへ向かった。
 「今のあなたは身体能力が落ちていると何度も言ったはずですよ」
「本当に無茶をするな、お前は」
 「う…」
 ぐうの音も出ないコンボイ。今日は今日で大人しくするほかなかった。
 「コンボイは私が見る」
 「うむ…頼む」
 ラチェットとデバスターは出て行き、残ったのはコンボイとスタースクリームもコンボイのパートナーであるプライムだけだった。けがをしたのは幸い左足だけだったが、自分の身体能力がどれだけ落ちているのかという自覚が足りなかったことを痛感した。
 「どうして無理をしてまで端末を取ろうと?」
 「脚立使えば取れると思ったから…」
 「小さくなって本来の姿と勝手が違うのは目に見えているだろう。脚立だって持ち運ぶのに大変だったんじゃないのか?」
 「うん…」
 やはり取りに行かないと、という気持ちが先になってしまった結果だというのはコンボイ自身も身をもって知ったのは分かるが、あれからすっかり落ち込んでしまった。プライムが元気になるように彼に抱き着くが、反応もせず、ただただ黙り込んでしまった。そんな彼をスタースクリームは頭をなでてから、自分の膝上に座らせた。
 「私も正直なこと言うとラチェットと同じ気持ちだ。けど今、分かっただろ?無理をして怪我をしたら、それだけ皆が心配するんだ」
 「うん」
 「取りに行こうとする気持ちはわかるが、それをやる前に他の誰かに言ってからでなければ、こういう事態になるんだぞ」
 「…ごめんなさい。ちゃんとラチェットに謝るから…」
 「だ、そうだ」
 スタースクリームの言ったことはどういう意味なのか疑問に思っているうちにラチェットとデバスターがやってきた。
 「あの、ラチェット…ごめんなさい」
 「今後は誰かに連絡してから作業に取り掛かってくださいね」
 ラチェットは優しく頭をなでれば、少しだが泣きそうな声で分かった、とつぶやいた。
 ☆後がきの跡
 子供になってから何しているのか、という所重点的に書いていきます。他には小ネタも忘れないよ!

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