ホップ「このSSはツイッタ上で挙げた子供化ネタをSSに起こしたものです」
バクギル「なお小ネタとちょっと違う所や無理のある設定に曖昧な時間軸なのでご了承ください」
ベク「上記の事を承知出来たら閲覧を」
第2話「邂逅」
エクシゲイザーたちはA区画を探していた。
「全く、お前たちは自分の副司令を何だと思っているんだ?」
「うぅ…」
ニトロコンボイは呆れる以外になかった。今一緒にいるのは主犯と主犯格である。一通り探したが、どこにもいなかった。小さくなっている関係上狭い場所も見ていたが、そこには誰もいなかった。
「あれはしばらく許す気ないって感じだったからな。覚悟した方が良い」
「分かっている」
ニトロコンボイはバックギルドとギャラクシーコンボイにA区画にはいない事を伝えた。
―B区画
「ど、どこにもいねぇ」
「簡単に見つかる場所に隠れるわけがないだろ」
野性児ライガージャックと主犯格ソニックボンバーの態度に呆れるファングウルフ。ふと彼は考え直した。というか、何故浮かばなかったのかが情けないと思える位。ドレッドロックは輸送機に変身するのだから…、
「まさかと思うが、高い場所にいるんじゃないのか?飛べるから」
「それだ!じゃあ俺高い場所行くぜ!」
ソニックボンバーは意気揚々と走り去った。ファングウルフとライガージャックは飛べないものの、ソニックボンバーの後を追い始めた。
―C区画
「バックギルドの話だと外には出ていないから基地の中なのは確かだろうな」
「だとするなら、アナウンスが入るから間違いなく出ていないはずだ」
ガードシェルとオートボルトはエリアの半分くらいを探し終えたのを機に隠れそうな場所を考え始めた。おそらく狭い部屋かそういったスペースにいると踏んでいるが、問題は場所だ。簡単に見つからない場所なのは間違いないだろう。となると…、
「見つかりにくいというより、たどり着きにくい場所はどうだ?」
「となれば…高い場所。彼は飛べるから考えられそうだね」
となれば、ひとまずC区画内を一通り探してからあの場所へあたってみよう、ということで探索を再開した。
そしてD区画はギャラクシーコンボイとベクタープライムが探していた。
「お前まで乗ってしまってどうする?かなり傷ついていたぞ」
「その通りだ…ん?どうした、バックギルド?」
突然、バックギルドから通信が入った。
『副司令のいる場所が分かりましたので、全員集まってください』
オペレータールームにいるバックギルドから呼び出しを受け、全員集まった。
「場所ですけどカタパルト付近にある小部屋です」
「随分高い場所だな。しかし、どうやって?」
サイバトロンの仲間になって日の浅いファングウルフは首をかしげた。
「おそらく副司令は隠し通路を使って登ったと思う。死角やモニターが切り替わったタイミングを見て、自分がうつらないようにしていたかも」
「そうだったのか…。でも誰にするんだ?行くにしても大人数は…」
「私が行こう」
皆で誰が行くのか話し合う間もなく、ギャラクシーコンボイは名乗り出た。これにはベクタープライムは一言。
「今のドレッドロックは不安定だし、お前相手だと全く喋らないと思うぞ」
「それでも私は彼を傷つけたことに変わりはない。それに…こんな無茶をする私にちゃんと意見を言って文句を言わずに陰で支えてくれるのは彼だけだから」
その言葉にベクタープライムはギャラクシーコンボイの背中を押しながら、さっさと行くように促した。言われるまでもなく、ギャラクシーコンボイはオペレータールームから出て行った。
「総司令官ってドレッドロックの事を凄く信頼していたんだ」
「同じ時期に軍に入ってほぼ同時期に総司令官・副司令官に任命されたからな」
2人の過去を知る唯一のサイバトロン戦士・ガードシェルはさらっと答え、二人の過去を話しはじめたのだった。
一方、ギャラクシーコンボイはドレッドロックのいる小部屋前にたどり着いていた。だが、まだ部屋に入ろうとしなかった。部屋の奥で静かに泣いている声が聞こえている。やはり、感情のコントロールができなくて悩んでいたのだろう。
「ドレッドロック、私だ」
「!!」
見つかるのは時間の問題なのはわかっていても、いざ見つけられるとなると緊張してしまう。隠れてからずっと泣き続けていたのだから、すぐにばれてしまったと思った。それでも部屋のロックを解除する気にはなれなかった。とても怖い。
「私の軽率な発言が君にとって決定打になったことは本当にすまなかった。こうしてジレンマに苦しむ君を見て辛いのも本当の気持ちだ」
「…総司令官」
小さすぎるが確かにそうつぶやいていた。
その頃、ガードシェルはみんなに二人の過去を語っていた。
「あの二人がまだ総司令官でも副司令官でもない頃だ。似た時期に入っていて既に素質を見出していたんだ」
「そうだったのですか」
「だが上官との折り合いがものすごく悪くて毎度喧嘩しかしていなかった」
それを聞き、ソニックボンバーは思い出したかのようにその上官の名を言えば、ガードシェルは正解、と答えた。
「近距離戦闘の技術は確かなのだが、如何せん無駄に厳しいのと戦略に欠けている点を周囲は度々指摘しているのだが、全く話を聞かない上官で折角部下が尤もな作戦を考えても却下されてきたんだ」
「でも今は除隊されていますね」
バックギルドが記録を調べてそう答えると、ガードシェルは話を続けた。
「上層部は強いということで中々処罰に踏み込めなかったけど、ある戦闘で総司令官とドレッドロックが上官の命令を無視して撤退の準備をしたら皆二人に従って撤退したのと二人に厳罰を下そうとしたのを当時の総司令官たちが目の当たりにして漸く処罰をどうするかって議論し始めたのさ」
あの後精神鑑定だの裁判だの諸々やっていたから、かなり時間かかったが、と付け加えた。
「洗い直せば新兵に危険な任務を任せたり、戦力浪費も良い所な采配だったり、本当に散々だった。ドレッドロックは総司令官を殴り飛ばそうとしたのを庇って何度も傷ついている」
「…その頃からドレッドロックは総司令官と一緒に戦っていたんだ」
エクシゲイザーは知らなかった過去を聞き、先日の行動や今まで控えめな彼に対して冷かしていたのを恥じていた。その様子を見てベクタープライムは頭をなでた。
「それで当時の司令官は2人の勇気と誠実さを買って総司令官・副司令官に任命したのか?」
「大体そうなる。二人の先輩にあたる戦士という戦士も従う位の仁徳も大きい。総司令官は勇敢と信念、ドレッドロックは縁の下で的確なサポートがものをいった」
二人三脚で支え合っていたのを思うと、ガードシェルは今こうして傷ついているドレッドロックの心を開いてくれるのはギャラクシーコンボイしかいない。そしてドレッドロックが元気になることを、ただ祈るしかなかった。
変わってギャラクシーコンボイ。
「私が上官に殴られそうになったとき、君はいつもかばってくれた。たとえそれが戦闘で治りきってない時でも私を守るために盾になってくれた。そんな優しい君を私は傷つけた。本当は嫌いじゃないのは分かっている。けどどうして良いのか分からなくて、苦しんでいるんだろ?良いんだよ、怒っても泣いても…それだけ溜め込んでいたことが分からずにいたのなら、どこかで吹き飛ばして出してしまえばいい。怖い事があるなら迷わず仲間に甘えれば良い。今は無理かもしれないけど少しずつで良い。だから一緒にいよう」
するとドアのロックは解除され、ギャラクシーコンボイは中へ入った。ドレッドロックの姿は見えないが、コンテナの奥で音が聞こえた。間違いない、あの奥にいる。そう確信して奥へ進んだ。確かに探している仲間がいた。
「見つけた」
「…!!」
そこには体を丸めて震えている子供がいた。怖がらせないようにそっと抱き上げて膝上に乗せた。
「やっぱり私には君の支えが必要だ。無茶ばかりしているのに文句を言わず、時には堂々と意見を言ってくれる優しくてひたむきな君の支えが、ね」
「総司令官…」
「さぁ、戻ろう。大丈夫、皆君の味方だから」
今までの緊張が解けたのか、ドレッドロックは今まで考えられない位に大きな声で泣き始めた。
オペレータールームへ戻ったときには泣き疲れて寝ているドレッドロックを見て、ベクタープライムが抱っこしたがっていたのはまた別の話。
後書き
こもっちゃったけど出てきましたー。完全に許している訳じゃないけど気持ちは嘘じゃないというのは伝わったので答えた感じ。ベク様は孫(マイクロン)が大好きだから、ちみっこいドレッドロック見てついつい同じ要領で接してしまうのだ。
因みに上官のモチーフはサバイブ。ぶっちゃけあのクマ親父、無能じゃね?とか思った。
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