ホップ「このSSはツイッタ上で挙げた子供化ネタをSSに起こしたものです」
バクギル「なお小ネタとちょっと違う所や無理のある設定に曖昧な時間軸なのでご了承ください」
ベク「上記の事を承知出来たら閲覧を」
第1話「すれ違い」
ギャラクシーコンボイの怪我も治り、今後の対策を練るために会議室に集まる一同。だがドレッドロックの姿はなかった。小さくなってからほとんどの仲間と話さず、部屋に閉じこもってしまったからだ。
「ガードシェルとバックギルド以外のサイバトロンメンバーの顔は見たくないって」
「ベクタープライムやライブコンボイにファングウルフは大丈夫みたいよ」
「でも会いたがってないから骨折れそうだよ…」
コビーが言うには自分たちも話す位は良いけど会いたくない様子だったことも付け加えた。因みに今はホップ達が説得するために粘っている。今の言葉から察するに茶化していない仲間だったら、まだ応じることは可能のようだ。
「副司令…大丈夫かな。子供になってから不安定というか…混乱している」
「それもあるが、あれだけサポートに徹しているのに君たちの態度の軽さにショックを覚えているんじゃないのか?」
ベクタープライムの推理にはエクシゲイザーとライガージャックはグサッと来るものがあるようだった。そもそも副司令と言えば司令官に次ぐ地位なのだし、本来なら副司令と呼ぶべきだが、殆どの面子は若いのと控えめな性格な彼を見てタメ口で呼び捨てである。ドレッドロック自体は気にしている素振りを見せていないが、それでもあの性格でその辺のわきまえを注意しないのが意外だった。
「だって背が大きくて面白くないから小さくなったから、ちょっとからかおうと…」
「いつも規則だってうるさいし丁度いいと思っていたから…」
「そんな軽い態度でいるから彼は傷ついているんだぞ!少しは察しろ!」
ベクタープライムの怒りに二人は縮こまった。ファストガンナーも何も言わなかったが、自身も軽い気持ちでモルモットにドレッドロックを選んでしまったのだから黙ってベクタープライムのお叱りを受けていた。
「ギャラクシーコンボイ。お前の言葉が決定打になったことを忘れるな」
「はい…」
ひとまず彼が担っている業務を洗い直し、代理を誰にするのか。そこから始めることにしたギャラクシーコンボイたちだった。
一方、ホップ達は…
「ドレッドロック様、お願いです。少しだけでも良いんです。皆さんとお話を…」
「やだ!ホップ達やベクタープライムは良いけど総司令官たちがいるなら絶対やだ!」
ほぼこれの繰り返しだった。どうしたものかと悩んでいる所、ベクタープライムがやってきた。が、その拳は誰かを殴り飛ばしたと思しき傷跡があった。そこは目をつむるとして、
「ドレッドロック、私は君が周囲の扱いがどんな扱いを受けてもギャラクシーコンボイを支えているのは知っている。それはギャラクシーコンボイも同じだから」
「でも総司令官やガードシェルはそうだったとしても、他の皆はいつも馬鹿にするから嫌です!」
「けどこうして閉じこもっても解決はしない。どうだね?ここで思いっきり不満を全部ぶつけてしまっては?大丈夫私が付いている」
ベクタープライムの提案を聞いて数分。ドアのロックが解除され、ドアの前には小さなドレッドロックが立っていた。しかし怯えがまだ拭えない様子だったのでベクタープライムは抱き上げて、安心させようと努めた。
「心配しなくても私は君の傍にいる。さ、行こうか」
「はい」
まだ不安も多いが、ひとまず部屋から出てきたことに安心するホップ達だった。
―会議室
「これだけの仕事を日頃からこなしていたんだ…」
「彼の支えがあって私はこうして戦えるというのに酷い事をしてしまったな」
ドレッドロックが担当している仕事を洗い直すと、実務関係はほぼ彼が責任者になっていたがこれらは何とか代理を誰にするかは決められた。ただ移民トランスフォーマーに関してはライブコンボイとオートボルトが代理を務めることはあっさり決まったが肝心の副司令代理が決まっていなかった。それを決めかねていたところ、ドレッドロックを連れたベクタープライムがやってきた。しかし彼はまだおびえていた。
「無理して顔を合わせなくていいから」
「…はい」
小さく答えれば、ベクタープライム。
「さて、ギャラクシーコンボイ・エクシゲイザー・ファストガンナー・ソニックボンバーは言う事があるだろ」
「軽率な発言をしてすまなかった」
「もう身長の事で文句言いません。茶化してごめんなさい」
「モルモットにしません」
「悪さしません」
それでもドレッドロックは振り向こうとせず、何も言わなかった。簡単に許す気はなかった。ここまで軽く見られていた事のショックも小さくした理由の浅さもだが、信頼している上司まで小さくても充分と言われたことが大きかった。それを思うと、耐えきれなかった。
「部屋戻りたい…」
「そうか。私は彼を部屋まで送るがファストガンナーはすぐにでも戻す準備に」
「あれは時間経過しかないうえ、戻る時期が不確定だから私にはどうしようもできないんだ」
その言葉にドレッドロックは振り向き、顔を真っ赤にして怒った。
「そんな危なっかしいプログラムを僕で試さないで!もういい!いつも人の仕事を軽んじる皆なんて大嫌い。顔も見たくないし、声も聴きたくない!」
怒鳴り散らした後、ベクタープライムに降りると声をかけてからドレッドロックは走り去ってしまった。
「ドレッドロック、待つんだ!」
「僕が追いかけよう」
ライブコンボイはすぐさま退室した。バックギルドも室内のコンピューターで場所を追跡した。ひとまず基地の中にいることは分かったがカメラの死角にいるのか、中々見つけられなかった。
「総司令官探してあげてください。そしてちゃんと…」
「分かっている。バックギルドはモニター監視を頼む」
こうして、かくれんぼが始まったのであった。ドレッドロックの捜索班はギャラクシーコンボイとベクタープライム、エクシゲイザーとファストガンナーとニトロコンボイ、ソニックボンバーとライガージャックとファングウルフ、そして先に出て行ったライブコンボイはオートボルトにガードシェルの面子になった。
「僕たちはバックギルドの手伝い、と」
「マイクロン組もローリ・バドと一緒に探します」
一方、ドレッドロックはというと…、
「見返りが欲しいわけじゃない、誰かに褒められたいんじゃない。でもやっぱり、仕事の内容を理解されないのは悲しいだけなのに…それを言いたかったのに…」
カタパルト付近の小部屋に隠れて嫌いと言ってしまったことを深く後悔していた。小さくなってから今まで自制できたことができなくなって不安を隠せず、今誰もいないこの部屋で怯えていた。会いたくない気持ちと見つけて欲しい気持ちがぶつかってしまい、どうしていいか分からず、ただ泣き続けていた。
後書き
理解されない事が悲しいのです。自制できた事が出来なくなって不安だろうに…。偶にイラッと来ていた彼に対する態度の軽さ。ツイッタで挙げたけどマイ伝と違って大きく変えました。これもまた実験的なもので…。マイ伝との差別化がどこまでできるか…うーん…。
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