十六夜さんからのリクエスト「セカンドで小さくなったライオコンボイ」です。十六夜さんのみお持ち帰り可能です。
ライオコンボイ部隊の騒動日誌
「うむ、困ったものだな…小さいと視線だけではなく身体能力も…」
デストロンの素粒子コントロールの所為で小さくなってしまった司令官ことライオコンボイ。一同唖然となった。
「どうしまっか?今後」
「アパッチが司令官代理だろ、この場合」
妥当な線で暫く動くことになったのだ。なおライオコンボイは元に戻る方法をスカイワープ・サントンとともに早速探し始めたのだった。
「小さくなる仕組みから調べないとな」
その頃のデストロン基地。ある一室で休憩していた。
「あのライオコンボイが小さくなってサイバトロンの奴ら、泡吹いているに違いないわ」
この作戦を考えたヘルスクリームは嬉しそうに言えば、ダージガンとスラストールも珍しく同意した。だが顔は怖い。でも言わない。後が怖いからだ。
「奴ら、びっくり」
「せやな。大将が小さくなったもんな」
全員が全員、その話でもちきりになっていた。しかし、ヘルスクリームはまだ気づいていなかった。この会話がスクーバに聞かれていたのを。
(なるほど…こういう仕組か。しかし…)
肝心の装置をどう作るか(奪うか)、そこが問題だった。
その一方でサイバトロンのメンバーたちはというと、
「ライオコンボイ、大丈夫かな」
「とはいえ、暫く頑張るしかないんじゃい」
「同じ装置作ればいいけどね」
同じこと考えるよなー、とキッドたちはぼやきながらも偵察に向かっていた。
偵察から帰ってきて、スクーバはすぐアパッチに報告した。
「スクーバ、すまないな。こういう事はお前が適任だと思ったから」
「何、ライオコンボイのためだ、気にしなくていい。それにあんたも大変だし、私たちも協力し合っていかないと」
その言葉は嬉しかったのか若干照れくさいと思ったアパッチ。ちょうどスカイワープ達もやってきた。
「お疲れ様」
「仕組みは大体わかったから後は組み立てるだけだ。しかし問題は…」
そう、その資源調達だ。作るにしても資源が足りないだろう。時間経過は無理らしい。話し合いの最中に偵察から戻ってきたダイバーとキッドとジュニアも同じように頭を悩ませていた。因みにビッグホーンは引き続き偵察するということでまだ帰っていない。
「都合よく2回光を浴びたら大きくなる!なんて事だったら恐ろしいよな」
「そんなご都合が…ってあれ?ちょい待ち…」
ダイバーはふと思った事を提案した。
「いっその事、あの装置を奪ってしまえばええんやないですか?」
上手くいけばの話ですが…と呟けば、アパッチ。
「一応資源調達もするが、そちらも視野に入れよう」
そして作戦決行の日がやってきた。やはりライオコンボイ相手にうまくいったのが効いたのか、ダージガンとスラストールは装置を持っていた。
「よっしゃ、装置はオールグリーン。決まったポイントに来たら、起動させるで」
「これでサイバトロン全員小型にできれば…」
「誰を小型にするって?」
突如背後からやってきたタコタンクにあっけを取られてしまい、装置を手放してしまうダージガン達。それを見逃すスクーバではなく、難なく回収すれば退散していった。それを逃すヘルスクリームではなかった。
「空飛べるのが一人しかないもの。楽勝よ…!!」
「マグナブレード!」
いつ合体したのか、岩陰から出てきたマグナボスのマグナブレードであっさり吹き飛ばされてしまうヘルスリームだった。マックスビーにぶつかり、そのまま落下してしまった。
「きいい、何するのよ!もう」
「ここは退散するで…」
落下の衝撃で動けないヘルスクリームとマックスビーを抱えてささっと退散するサイボーグビースト達。マグナボスも合体解除をして、スクーバの元へ駆けつけた。
「これだな」
「うむ。しかし、元に戻るためのチューニングをしなければならない」
スクーバのもっともな意見とともに、4人は帰還していった。
なお待機していたサイバトロンメンバーというと、
「ライオコンボイ、少しの辛抱だから」
「ありがとう。しかし視線が低いというのはどうにも辛い…」
キッドの励ましは嬉しい。しかし、こうも小さいと潜入は便利だがいざ戦いとなると不利になる、と改めて実感するライオコンボイ。ダイバーとアパッチも同じようなことを思っていた。
「背が高いというとサントンとビッグホーンしかいませんからね」
「そうだったね」
「ライオコンボイ、スクーバたちから連絡が入ったからつなげるわよ」
ナビとアパッチは早速通信を繋げた。
「スクーバ。どうだった?」
『アパッチ、ライオコンボイ。無事奪取出来た』
ちゃんと装置を見せれば、待機中のメンバーは安堵の表情を見せた。これで戻れるだろう、と。
「気を付けるんだぞー」
『分かっているさ。じゃあ通信終わり』
スクーバとライオジュニア達は何事もなく帰還した。ダイバーもだが早速装置のチューニングに取り掛かる。
「この辺りで大丈夫でっしゃろ?」
「だな。まず、この岩で試そう」
装置を岩に当てて小さくしてから、再チューニングして光を当てれば岩は元のサイズに戻った。
「すぐ試して大丈夫なの?」
「とにかく、やってみるほかはないと思う」
恐る恐るライオコンボイめがけて光を当てるダイバーとスクーバ。全員ひやひやしてしまい、手で顔を隠す。スクーバが終わったと声をかければ、手を下げる。無事成功していた。
「ライオコンボイ…元に戻っている!」
「心配かけてすまなった…」
そんな事無いです!とアパッチが泣き出せば、全員大げさに泣くな、と笑いつつも無事を喜ぶのであった。
おまけ
ヘル「何よこのイカ発信機はああああ!きいい!」
ダジ「筒抜けだったんかい!」
スラ「あんのタコチューイカスミ男が!」
ギガ「ださい発信機なんだぞ」
ガル「そこじゃないだろ!馬鹿者!!」
後書き
お待たせしましたー。強奪はスクーバの十八番ということで強奪しちゃいました。スクーバは万能戦士。デストロン軍はおまけでねたにしやすいため、ついつい書いちゃいます…。ライオコンボイの出番が少なくてすみません…。
コメント