サイコパス1期で何気ない会話。征陸親子のとある一幕だけど宜野座の出番はあんまりない。
―某日
「伸元は7歳ぐらいだな、この時は」
宜野座と狡噛以外の一係は征陸のデスクに集まってアルバムを見ていた。
「わー、宜野座さん可愛いですね」
「どうしたら、こんなにでかくなるんだよ…」
「本当に征陸さんの事が大好きって言うのが伝わりますね」
征陸のアルバムを見て朱・縢・六合塚はそれぞれ感想を述べた。
「けどギノさんって本当にツンケンしていて、堅物だよなー。今」
「そ、そうかな…(大体縢君の態度で怒っているような…)」
「縢がルーズすぎるだけ」
六合塚が一刀両断すると征陸と朱は苦笑いを浮かべ、縢は撃沈するふりを見せた。
「縢、そういうな。そう見えてしまうが伸元は結構素直だぞ」
「ええええぇ!?」
なんだか信じられないのは朱もだが縢ほど大げさではないが意外な感じがした。振りかえれば厳しい所こそあれど何かと自分や狡噛の事を気遣うので、確かに人が良いのは何となく分かる。
「そうそう。ネクタイがボロボロになったのを見て、誕生日にわざわざ似たネクタイを選んだんだ」
「そうだったんですね」
「ま、照れ臭いのかデスクに隠れて俺が帰ってくるのを待っているうちに眠りこけちまった。というオマケ話が付いている」
その様子を3人は思い浮かべた…。何か一言(と書いて憎まれ口と読む)言ってやろうと考えているうちに眠ってしまった宜野座を。
「ぶ…あはははは!分かるー」
「素直じゃないですけど、ある意味らしいですね」
「でも、宜野座さんも可愛げのあるところを見せるんですね」
「親にとっちゃ、子供はいくつになっても可愛いものだし、心配だってするさ」
征陸の表情は刑事として執行官としてのそれではなく、不器用な息子の身を案じる父親だと朱は思った。話の区切りがついたところで狡噛がやってきた。
「なんだ、ちっせーギノの写真か?」
「はい!狡噛さん、すっごく可愛いと思いませんか?」
朱は家族と一緒に映っている写真を狡噛に見せながら尋ねた。
「(女って何でも可愛いっていうよな…)…とっつぁん大好きって言うのが伝わる良い写真だな」
以前、佐々山に遊ばれてヴァレンタインデーにチョコを渡した時も征陸にちゃんと渡したみたいだし、根は素直なのは変わっていないと狡噛は思った。
おまけ
宜野座「ネクタイとメッセージカードはこの辺に置けばいいか。後は何を言うか…だな。…なんでネクタイ渡すだけでこんなに考えないといけない?単純に身だしなみはしっかりしろって言えばいいじゃないか。誕生日とか関係ない。絶対だ!」
青柳(宜野座君…事情はあると思うけどもう少し頑張って!) ←通りかかっただけ
佐々山(ギノ先生…) ←からかいたいけど青柳に足踏まれてできない+不器用ぶりにだんだん見ていられなくなった
狡噛「とっつぁん、お疲れ様」
征陸「コウ、お前もな。ふう…これで仕事も終わりか…ん?」
“誕生日おめでとう 父さん 伸元”
“追記。ちゃんと丁寧に扱わないと許さんぞ”
征陸「ありがとう、伸元。(宜野座のデスク付近で音がしたので視線をデスクに向ける)…って、こんな所にいたのか」
宜野座「すぅ…」
征陸「全く、風邪をひくぞ…。まあ、寝ているから聞こえないか」
狡噛「とっつぁん、ギノは俺が連れて行く。こいつでかいからな」
征陸「ああ、頼む」
征陸「そんな感じだ。あの後、佐々山にそのシンキングタイムを聞いた」
朱「宜野座さん…本当に照れ屋ですね」
狡噛「信じられないほど安心しきった寝顔だったな」
朱「折角の誕生日ですし、気が緩んでいたかもしれないですね」
宜野座「っくし!」
青柳「宜野座君、大丈夫?」
宜野座「あ、ああ。大丈夫だ、青柳」
青柳「なら良いけど、あんまり無理しないように気を付けてね」
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