十六夜さんからのリクエスト「ギャラクシーフォース」です。十六夜さんのみお持ち帰り可能です。
無事
ベクタープライムの乱入と鬼気迫る攻撃でドレッドロックは無事救出、噴火寸前の所でギャラクシーコンボイ達は脱出できた。
「う~ん…」
「起きたかい?」
「そうしれいかん…みんな…?」
「ああ」
まだ眠たそうだが意識は大分はっきりしてきた。目の前には仲間がいた。
「あの…ごめんなさい。勝手に外へ出て行ったばかりに…」
「誘拐する変態が悪いの!ドレッドロックは何も悪くない」
エクシゲイザーは何とか元気づけようと必死だったがみんなは苦笑いしながら、窘めた。するとライブコンボイ。
「取りあえず基地へ戻ろうか」
確かにここでだべっていると、またデストロンの襲撃に遭うかもしれない。そう思い、全員基地へ戻った。
この救出作戦とファストガンナーの診察が終わってから、ドレッドロックはギャラクシーコンボイの部屋へ向かった。
「総司令官、失礼します」
「…どうしたんだい?急に」
いつもなら(鬼神のジジ馬鹿)ベクタープライムか(穏健紳士)ライブコンボイと一緒だが今日は珍しく一人だった。とはいえ、クッションは相変わらず持ち歩いているが。
「その、ちゃんと話をしたいと思ったので…」
「分かった。さ、おいで」
ギャラクシーコンボイはドレッドロックを抱き上げたままソファに座り、彼を膝上に乗せた。
「総司令官…本当に勝手に外へ出て行ったのはごめんなさい。ファストガンナーが怖かったのと外へ出ることは別ですから…本当に迷惑かけたと思っています」
「君は本当に真面目で自分に厳しいね。でも悪いと思ったから私に通信を入れたのだろ?」
「でも、ちゃんと謝らないといけませんし…迷惑かけ…」
迷惑かけた、と言い切る前にギャラクシーコンボイはドレッドロックを抱きしめた。
「迷惑じゃない。本当に無事で良かった。私たちはそれだけで十分なんだ」
「総司令官…」
日頃背が高いと思っていたが、今はとても大きく優しいと感じ取れる。それまで緊張していたものが急に剥がれ落ちそうな気持になった。
「本当は知っていました。総司令官がファストガンナーと僕の話を聞いていたのも…」
「そうだね。君は気づいていたって表情をしていたからね」
段々涙目になり声も震えはじめた。誘拐された時は泣きもせず辛抱強く待っていたけど、助けに来た途端、安心して眠ってしまったのを思い出した。
「本当は一人になって誘拐されて怖かった筈なのに泣きもせず耐えられたね」
「…怖かったです…本当は不安でした。でも負けるのは嫌でした」
「もう怖いものはない。それに泣いても良いじゃないか。たくさん泣いて辛いことも怖い事も流してしまえばいい」
「そ、総司令官…う、ぐす…」
スタースクリームに誘拐される前も後も本当に怖かったのだろう。ギャラクシーコンボイがドレッドロックの頭をそっと撫でた途端に彼は泣き始めた。怖かった、辛かった、と呟きながら泣きつく彼をギャラクシーコンボイはまた抱きしめた。
「今日は一緒に寝るかい?」
と、尋ねればドレッドロックは迷わず頷いたが泣き疲れてすぐ眠ってしまった。そんな様子もかわいいな、と微笑みながら彼を寝かした。
その頃、ベクタープライムたちはギャラクシーコンボイの部屋の前で立ち聞きをしていた。ドレッドロックは全く気付いていないがギャラクシーコンボイにはバレバレである。
[無事で良かった…]
と嬉しそうなことを言っている反面、拳をぶるぶる震え立たせるベクタープライム。ガードシェルはすぐさま宥めた。
[ドレッドロックも総司令官に甘えたいのと謝りたい気持ちで一杯なのだから今日は許してくれないか]
[そ、それもそうか。ドレッドロックが元気になるなら私もそれが一番だからな]
[でも、俺達やチップスクエアの事を思って怖いのを我慢していたなんて…絶対に守り抜く!]
[エクシゲイザー…]
元気な若者の意気込みに感激したのか、ベクタープライムもすっかりその気、いや既に守り抜こうと意気込んでいるが如何せん、鬼気迫る表情と半端ない破壊神オーラを出しているため、どうにも伝わらない。
(真面目に相談役もやっているはずなのに…)
(ジジ馬鹿をこじらせた結果かな)
エクシゲイザーのやる気は分かるが、ベクタープライムは未だかつてない怒りを見せていることは純粋に驚きとあきれを隠せないガードシェルとライブコンボイであった。
―翌日
「おはようございます」
とドレッドロックはみんなに元気よくあいさつした途端、ベクタープライムは真っ先に抱き上げた。
「もう大丈夫かい?けがは?熱は?スタースクリームに変な事されなかったかい?もう、無事で何よりだから!」
「だ、大丈夫です…」
早速ジジ馬鹿炸裂だが、こうして自分の事を気遣ってくれるベクタープライムの優しさが嬉しくて抱き着いた。
「皆、本当にありがとう」
「大事な仲間だから助けるのは当たり前だって!大体、あの変態馬鹿はぶっ飛ばすのが良いの!」
「そうですよ、副司令。僕たちにどんどん甘えちゃってくださいね」
「何があっても守り抜くから」
「どうやら山は越えたみたいだな」
バンガードチームはやる気を見せ、ガードシェルは辛そうな表情ばかり見せていたドレッドロックが明るくなったのを見て微笑んだ。そして、
「おはよう、ドレッドロック」
「あ、総司令官!おはようございます」
来たと分かるとベクタープライムに降りると言ってから、ギャラクシーコンボイに抱き着き始めた。
「そうなるな」
「ドレッドロックもちゃんと甘えるようになって安心した」
「ギャラクシーコンボイじゃ、かなわないからね」
ファングウルフとライブコンボイ、そしてニトロコンボイも彼が越えるべき山は越えたことを感じ取り、安心した。
「よし、プラネットフォースを探すぞ!」
「おー!」
今日も今日でサイバトロン軍は任務に励んでいます。
オマケ
ソニ「ドレッドロックー、俺は俺は?」
ドレ「あっち行って!絶対ヤダ!!」
ギャラ「お前は懲りそうにないからな」
エクシ「そうそう」
ガド「諦める事だな」
バク「自業自得です」
ファス「…」 ←和解できたけど元凶なので何も言えない
後書き
7話ラストの続き。ちゃんと謝らないといけない!って言うのと、無事なのが大事というのが書きたかった。後は…ギャラクシーコンボイに甘えるちびドレ。ベク様ジジ馬鹿こじらせて既に破壊神だよ!!
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